「可愛いな」
「えっ……」
「可愛い」
「――」
思わず絶句したまゆの顔が、みるみるうちに赤く染まっていく。
いつまで経っても初々しい。反応が新鮮で、そういうところも、可愛くて、可愛くて、抱きしめたくてソワソワしてしまう。
「も、もうっ……すぐそういうお世辞を……!」
「俺はお世辞は……言わないこともないが、これは違う。本当だ」
「そんな……もう……」
妙に生真面目にいう深青がおかしかったのか、まゆはホッとしたように表情を緩め、
「――言わないこともないって……調子がいいんだから……」
クスクスと体を揺らし笑い始める。
好きな女が笑ってるって、それだけでいいな。
まゆの笑顔が、笑い声が、深青は愛しくてたまらない。
今、言うしかない。
感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。