確かに深青の言う通りなのだが――
同時に彼にからかわれているような気もする。
なんだか熱い……。
そっと、触れられていないほうの頬に手のひらを乗せると、ひんやりと冷たい手とは裏腹に、恐ろしく熱をはらんでいる。
「――どうした?」
深青が心配そうに、頬を指の背で撫でると、まゆは一層顔を赤くして、首を振る。
「だっ、大丈夫! ちょっと、酔ってるだけだから……」
「ふーん。じゃあいいけど。辛くなったら言えよ?」
「うん……」
そして深青は、軽くまゆの頭をぽんぽんと撫でたあと、体の前で腕を組み車窓の外を眺める。
もう……深青のせいだ。
私が変になるのも、全部深青のせい……。
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