我ながら、次から次に適当な言葉が口をついて出ると思ったが、仕方ない。
まゆの仕事を未散があっ旋などしたら、二人の間に繋がりが出来てしまう。
無論その場しのぎの恋人宣言の相手など、未散が関わりあう必要はない。
むしろ、それだけは絶対に避けなければならなかった。
「ご、豪徳寺、さんのところで、アルバイト……?」
そして、怒涛の展開に目を白黒させるまゆ。
意味が分からない。
どうしてこの人のところでアルバイトなどしないといけないのか。
いやだ、絶対にいやだ。
もうこの人とは関わり合いたくない!!
けれど――
「俺のお願い、聞いてくれるね?」
深青は自分の提案をまゆに断らせるつもりは1ミリもなかった。
じいっと、唇には微笑みを浮かべながら、輝く瞳でまゆを見据える。
「っ……」
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