楽天の新外国人投手が１球も投げずにチームに勝利をもたらした。

　今季はメキシカンリーグでプレーしていた元ブレーブスのケニー・レイ投手（３８）が２３日、本拠地・Ｋスタ宮城で入団会見し「先発、リリーフなんでもやる」と意気込みを語った。とはいえ「不振の救援陣の助けになれば」と考えるフロントに対し、現場の反応はイマイチ。「どうせ年俸１５００万円だしね…」「３８歳って…」と期待薄だ。

　そんななか、さっそく“助っ人効果”が表れた。レイは会見後、ソフトバンク戦をバックネット裏から観戦。これが、この日に一軍登録されて先発復帰したダックワース投手（３７）の闘志に火をつけたのだ。関係者の話を総合すると、実は新助っ人獲得の話を聞いたダックは大焦り。当時、調整中だった二軍で「オー・マイ・ゴッド！」と青ざめていたという。

　レイが加入した楽天は６人の外国人選手で４つの枠を争うという状態。野手はジョーンズ、マギーがいるため、投手に残された枠は「２」だ。そんななか、ダックワースはこの日、７回２失点の好投で今季３勝目、連敗を２でストップ。最大のライバルに好投を見せつけ「戻ってこられてうれしい」。実力は「？」なレイだが、その存在自体が助っ人投手陣の尻に火をつけたというわけだ。

　かねて星野監督は「外国人は甘やかしちゃイカン」と話している。今回の補強はまさにドンピシャ。ある意味、成功だったということか。