新刊「旗を立てて生きる」のなかでも書いてますが、人によって「行動のハードル」って違うと思うんですよね。
行動すればいいのに、行動しない人たち
「編集者になりたいんですが、どうすれば出版社に受かりますか?」「イケダハヤトさんのようにフリーランスになりたいんですが、何をやるのがいいですかね?」「将来起業したいんです」なんて質問を受けることがあります。
優秀な人材は、そういった質問に対してこちらがアクションを提示すると、すぐに行動を始めます。たとえば「編集者になりたいなら、まずはNAVERまとめを毎日作って、月間100万PVクラスを目指すといいよ」と伝えれば、その日のうちに行動して、「早速まとめ第一弾を作りました!見てください」報告してくれたりします。
逆に、残念な人材は、アドバイスを提供しても、すぐに行動に移してくれることがありません。久しぶりに会った時に「あ、そういえばこの前伝えたアレやった?」と聞くと「いえ…」と濁った返事が戻ってくる。何か自分で新しいことに取り組んでいるのかと思って聞くと、「いえ、ちょっと学校が忙しくて…」とまたもやぼんやりとした返事です。うーん、熱意があれば行動すると思うけど…。
半分宣伝なのですが、このたび、「ブログエイジ」という電子書籍を出版しました。この本は21歳の学生編集者、小川氏との共作です。彼の協力なくして、本が世に出ることはありませんでした。
小川氏は将来、プロの編集者になることを志しています。電子書籍のムーブメントは自分にとって追い風だと感じ、すぐにぼくに対して「ハヤトさんのブログ、電子書籍にしませんか?」というオファーをくださいました。
彼はゼロから電子書籍の制作を学び、この本を世に出しました。ノウハウを手に入れた今では、ぼく以外の著者の電子書籍の編集にも手を広げています。電子書籍をつくりたい、という方はぜひ連絡してみるといいでしょう。実に腕のいい編集者ですよ。
世の中には、編集者になりたい人はたくさんいます。今月だけでも3人くらい会いました。でも、そんなたくさんの編集者志望の人間のなかでも、サクッと行動して自ら作品を作ってしまえる人は、本当にわずかだったりします。
大半の人は、目の前に機会があるはずなのに、それを手にすることをしません。それは自分に自信がなかったり、スキルがなかったりするのが原因なのでしょうけれど、端から見ている限り、「いやいや、やったもん勝ち、言ったもん勝ちだから、とりあえずやってみればいいのに…」と思ってしまいます。
ぼくがこれまで見てきた優秀なビジネスパーソンは、みな一様に「行動のハードルが低い」人たちばかりでした。それはもう、サクサクと次に進んでいく。ダメならダメで諦めて、できることをザクザク探していく。
言葉が悪いですが、残念なビジネスパーソンは、行動のハードルが無駄に高く、小さな一歩を踏み出すにあたって、不思議なほど時間が掛かります。失うものなんてないのに、彼らはどうにも行動を取ることができないのです。それはいいかえれば、彼らには「根拠なき自信」が徹底的に欠如している、ともいえるでしょう。
卵が先かニワトリが先か、という話になってしまいそうですが、行動のハードルを下げるために必要なのは、小さく行動して成功体験を積み重ねていくことです。
まずは一歩踏み出してみる体験がないと、ハードルはいつまで経っても高いままです。ハードルを倒すのはもはや前提です。挑戦とはそういうものです。何度も跳び越えようと努力していくうちに、実はそのハードルが低いものであったことに、気づくことができます。
今は本当に良い時代です。ほとんどリスクなしに、新しい挑戦を行うことができてしまうのですから。
と、変なまとめになってしまいましたが、今回の99円本は、そんな若者の挑戦の結果として読んでいただけると、より刺激が得られると思います。時代は変わってるんですよ。やりたいことがあったら、チャレンジしてみましょう。