Updated: Tokyo  2013/06/25 07:48  |  New York  2013/06/24 18:48  |  London  2013/06/24 23:48
 

6月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル指数が約2週ぶり高水準、安全資産への逃避

24日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して総じて上昇した。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 が約2週ぶりの高水準。投資家が高利回り通貨から比較的安全だとされているドル建て資産に資金を振り替えたことが影響した。

ドルは対ユーロでもみ合い。25日は5月の米耐久財受注が発表されるが、エコノミスト予想では前月比で増加となっている、また4月の住宅価格指数も上昇が見込まれている。ダラス連銀のフィッシャー総裁が投資家は金融当局による資産購入縮小の計画に過度に反応すべきではないとの見解を示すと、ドルは対ユーロでの上げを失った。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は、「利回りを求めた取引が手じまわれ、投資家は買い過ぎた資産を手放しつつある」と述べ、「手じまい売りやキャリー取引の解消を望む投資家の恩恵をドルは受けることになるだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドル指数は0.1%上昇して82.433。一時は5日以来の最高をつけた。

ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3120ドル。ドルは対円で0.2%下げて1ドル=97円73銭。円は対ユーロで0.2%上昇して1ユーロ=128円22銭。

JPモルガン・チェースがまとめる主要7カ国(G7)通貨を基に算出されるボラティリティ指数 は一時11.96%と、2012年1月以来の最高をつけた。過去1年間の平均値は8.76%となっている。

フィッシャー総裁の発言

フィッシャー総裁は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の19日の発言後、投資家は「野生の豚」のような動きを見せたと指摘した。インタビューの内容は24日、FTのウェブサイトに掲載された。

今週はアトランタ連銀のロックハート総裁やリッチモンド連銀のラッカー総裁、クリーブランド連銀のピアナルト総裁、さらにサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演を予定している。

オプション市場では、ユーロのドルに対する1年物プットオプション(売る権利)価格のコール(買う権利)価格に対するプレミアム(上乗せ幅)が1.88ポイントと、昨年9月13日以来で最も弱気となった。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「米国の長期利回りが過去1週間で上昇し続けた」と指摘、「それがある程度、資金をドルへと呼び込んだ」と続けた。

耐久財受注、ケース・シラー住宅価格指数

ブルームバーグがまとめた予想によると、米商務省が発表する5月の製造業耐久財受注額 は前月比で3%増が見込まれている。また全米20都市を対象にした4月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で10.6%上昇が予想されている。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、外為オプションの店頭取引は合計344億ドル。前営業日は620億ドルだった。このうち対円でのドルのオプションの出来高は83億ドルで、シェアは24%と最大だった。

ブルームバーグの分析によると、この日の対円でのドルのオプション取引は過去5週間の月曜日の取引平均値を31%上回った。

原題:Dollar Index at Almost 2-Week High on Flight to SaferAssets(抜粋)

◎米国株:反落、中国株につれ安-S&P500種は9週間ぶり安値

米株式 相場は反落。S&P500種株価指数は9週間ぶり安値を付けた。中国の資金逼迫が成長に悪影響を及ぼすとの懸念から、中国株が弱気相場入りしたことにつれた。米国の量的緩和が縮小された場合の影響にも注目が集まっている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループなど銀行株が安い。アップルは大幅安。「iPhone(アイフォーン)」の過剰在庫でジェフリーズが目標株価を引き下げたことが嫌気された。しわ治療のボトックスを製造するアラガンは投資判断の引き下げを受けて12%急落した。一方、病院経営のバンガード・ヘルス・システムズは67%高。同社は同業のテネット・ヘルスケアに約18億ドルで買収されることで合意した。

S&P500種 株価指数は前営業日比1.2%安の1573.09と、4月22日以来の安値。ダウ工業株30種平均は139.84ドル(0.9%)下げて14659.56ドル。米証券取引所全体の出来高は約85億株と、3カ月平均をおよそ32%上回った。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティール最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「国内の経済指標は引き続き改善しているが、より広範なマクロ金融政策問題が特に影を落としている。現時点で収益の先行きが見通せないほか、海外情勢が国内の回復よりも材料視されている」と発言。「株価が前年比で高く伸びていることから持ち高を減らす動きが出ているのかもしれない」と語った。

世界株安

この日は中国が弱気相場入りするなど世界的に株安となった。上海、深圳両証取のA株に連動しているCSI300指数 は前週末比6.3%安と、2009年8月以降で最大の下げ。年初来高値から20%以上値下がりした。先週は資金が逼迫(ひっぱく)し、指標となる短期金利が過去最高に達した。この日の米10年債利回りは一時2.66%と、11年8月以来の高水準を付けた。

S&P500種は一時、2007年の終値ベースでの高値である1565.15を下回る場面もあった。3月には同水準を超え、金融危機以来の下げを埋めた。

資産運用会社リーマンのシニア・ポートフォリオマネジャー、イーサン・アンダーソン氏は「投資家は金利上昇や金融緩和の縮小という憶測に揺らいでいる。中国の中央銀行システムが実際にどの程度強いのかという不透明感もある。ニュースに反応しやすい環境にあり、投資家は動きづらい状況だ」と指摘した。

フィッシャー総裁

S&P500種は一時、2%下げたが、ダラス連銀のフィッシャー総裁が金融当局による資産購入縮小の計画に投資家は過度に反応すべきではないとの見解を示すと下げ渋った。

ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング、マネジングディレクターのマイケル・ジェームズ氏は「フィッシャー総裁の発言は、先週のバーナンキ議長発言による悪影響を弱める内容となったようだ。トレーダーやセンチメント主導の市場であり、すぐさまどちらの方向にも動きやすいことに変わりはない」と述べた。

S&P500種のセクター別では全10種が下落。特に金融や工業、素材株の下げが目立った。BOAは3.1%安と、ダウ平均の構成銘柄の中で下げが最もきつい。シティも3.1%下落。

原題:U.S. Stocks Fall on China Slump as S&P 500 Drops to 9-WeekLow(抜粋)

◎米国債:30年債が4日ぶり反発、高利回りで買い集まる

米国債市場では30年債が4営業日ぶりに反発。利回りが2011年以来の高水準となったことで買いが集まった。ダラス連銀のフィッシャー総裁が投資家は金融当局による資産購入縮小の計画に過度に反応すべきではないとの見解を示したことも材料視された。

10年債相場は下げを縮める展開。米国債は一時大きく下げていた。米金融当局が量的緩和を縮小し、最終的には過去最低水準にある政策金利の引き上げにつながるとの見方から、オーストラリアやドイツなど各国の国債相場も下げた。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は19日、年内にも量的緩和を縮小させ始め、14年年央には終了する可能性があると述べた。米財務省は今週、国債入札(発行総額990億ドル)を実施する。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「フィッシャー総裁の発言が相場の安定化に多少寄与した」とし、「大半の人が米国債は売られ過ぎだと考えている。フィッシャー総裁が相場を安定させる発言をしたことで、一部に買い安心感が広がった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回り は前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.55%。一時7bp上昇の3.65%と、11年9月1日以来の高水準となった。先週は28bp上昇と、09年8月以降で最大の上げとなっていた。同年債(表面利率2.875%、2043年5月償還)価格はこの日18/32上げて87 21/32。

10年債利回り はほぼ変わらずの2.54%。一時13bp上昇の2.66%と、11年8月以来の高水準を付けた。2bp低下し2.51%を付ける場面もあった。利回りは先週、週間で40bp上昇していた。

相対力指数

相対力指数(RSI、14日間)は10年債が77.6、30年債は69.2。同指数が70を上回ると利回りが反転する可能性を示唆する。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は、金融当局の政策は引き続き緩和的だと述べた。

総裁は「議論されているのは以前の状況に戻すということだ」とし、「『出口』という言葉はここでは適切ではない」と続けた。

総裁は24日、ロンドンでの講演で、連邦公開市場委員会(FOMC)に参加する19人の予想通りに景気回復が進んだ場合は「刺激策を縮小すべきという点で、バーナンキ議長に完全に同意する」と述べた。FOMCは19日発表した経済予測で、14年の成長率予想を3-3.5%に上方修正した。失業率については14年末までに6.5-6.8%に低下するとの見方を示した。

フィッシャー総裁は追加量的緩和策に反対を表明している当局者の一人。総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。

金融緩和策の道程

ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は緩和策の今後の道程を金融当局は一層明確に示す必要があると指摘した。また、毎月実施している債券購入は少なくとも失業率が7%未満に低下するまで続けるべきだとの見解を示した。

米国債のボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は110.98に上昇。これは11年11月17日以来の高水準。年初からの平均は62。

原題:U.S. 30-Year Bonds End 3 Days of Losses as Yields BoostDemand(抜粋)

◎NY金:反落、米緩和縮小観測やゴールドマンの価格予想引き下げで

ニューヨーク金先物相場は反落。米金融当局が緩和策を縮小するとの観測を背景に、価値保存手段としての金買いが後退した。

金は21日に一時オンス当り1268.70ドルに下落し、2010年9月以来の安値をつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先週、経済が継続して改善すれば当局は緩和策の縮小を年内にも開始し来年に同プログラムを終了する可能性があるとの認識を示した。ゴールドマン・サックス・グループは2014年までの年末の価格見通しを引き下げた。

シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「当局発信のシグナルが金を失速させた」と指摘。「弱気なセンチメントが一段の売りをもたらし、さらなる下落が見込まれるため、買いが手控えられている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前週末比1.2%安の1オンス=1277.10ドルで終了した。

原題:Gold Drops With Silver on Fed Outlook as Goldman CutsForecasts(抜粋)

◎NY原油:反発、洪水でカナダのパイプラインが輸送停止

ニューヨーク原油先物相場は4営業日ぶりに上昇。カナダのアルバータ州でパイプライン3本が洪水の影響で輸送停止となったことから、買いが入った。

パイプラインを運営するエンブリッジによると、再稼働のめどはまだ立っていない。米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、カナダは米国の原油輸入源としては世界最大。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「市場はアルバータの状況をひどく心配している」と指摘。「洪水の影響は当初思っていたよりひどそうだ。カナダ産原油が輸入されないことで、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)などの油種の需要が高まるはずだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前営業日比1.49ドル(1.59%)高の1バレル=95.18ドルで終了。一時は92.67ドルまで下げ、4日以来の安値を付けていた。

原題:WTI Crude Climbs After Flooding Shuts Alberta Pipelines toU.S.(抜粋)

◎欧州株:ストックス600は年初来の上げ解消-中国先行きを懸念

欧州株式 相場は5営業日続落。指標のストックス欧州600指数は年初来の上げを解消した。銀行で流動性が逼迫(ひっぱく)しているとの懸念が広がる中国の成長率見通しをゴールドマン・サックス・グループが引き下げた。

オーストリアの銀行、エルステ・グループ・バンクは1年5カ月ぶりの大幅安。公的資金の返済に向けた株主割当増資の計画を明らかにした。カザフスタンの鉱山会社、カザフミスは約4年ぶり安値に下落。同社は26%出資するユーラシアン・ナチュラル・リソーシズ(ENRC)の株式非公開化の計画を支持した。一方、ドイツのケーブル事業者、カーベル・ドイチュラント・ホールディングは1.7%上昇。英ボーダフォン・グループが77億ユーロの買収案を提示した。

ストックス欧州600指数 は前週末比1.7%安の275.66で終了。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米景気に持続可能な改善が見られれば金融緩和策の縮小は可能だと示唆した5月22日以降では、同指数は11%下げており、調整局面入りした。

CCLAインベストメント・マネジメントのジェームズ・ビーバン最高投資責任者(CIO)はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「中国は向こう6-9カ月以内に政策綱領を変更するもようだ」とし、「この期間にボラティリティと不透明感は継続し、調整が起こる中で痛みが感じられるだろう」と語った。

ストックス欧州600指数は月初来では8.4%安と、月間ベースでは2011年8月以来の大幅下落となっている。

この日の西欧市場ではアイスランドを除く16カ国で主要株価指数が下落した。ギリシャ市場は祝日のため休場。

原題:Europe Stocks Drop on China Concern;Stoxx 600 Erases 2013 Gains(抜粋)

◎欧州債:独債利回り、1年2カ月ぶり高水準-米緩和縮小観測で

欧州債相場は前週の下落基調を引き継ぎ、24日も軒並み下げた。ドイツ10年債利回り は1年2カ月で最高となった。米金融当局が刺激策である資産購入の縮小を始めるとの懸念を背景に、国債の需要が後退した。

イタリア2年債利回りは6カ月ぶり高水準に達したほか、スペイン10年債利回りは約12週間ぶりに5%台に乗せた。ベルギー国債も値下がり。同国は27億1000万ユーロ相当の国債入札を実施した。フランス国債も売られた。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が債券購入を年内に縮小し始め2014年半ばまでに終了する可能性を示した19日以降、世界的に国債相場は下げている。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏(フランクフルト在勤)は「米当局の出口政策が債券にとって大きな痛手となるとの懸念は根強い」とし、「安定化の兆しはなく、相場は脆弱(ぜいじゃく)な状態にある」と語った。

ロンドン時間午後4時25分現在、ドイツ10年債利回りは前週末比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.82%。一時は1.85%と、2012年4月4日以来の高水準に達した。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格は0.835下げ97.135。

前週末にルクセンブルクで開かれた欧州連合(EU)財務相理事会は銀行が破綻した場合の損失負担方法に関して合意が得られず、協議は物別れに終わった。これもユーロ導入国の国債を押し下げる要因となった。EU首脳会議に間に合うよう、財務相らは26日に協議を再開する。

英国債相場も下落し、10年債利回りは11年10月以来の高水準となった。英公債管理局(DMO)は週内に銀行団を通じて2068年償還債を発行する。

ロンドン時間午後4時40分現在、10年債利回りは13bp上昇し2.54%。11年10月31日以来の高さとなる2.59%まで上げる場面もあった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は1.02下げて93.52。

原題:German Yields Reach 14-Month High asEuropean Bonds Extend Slide(抜粋)U.K. Gilt Yields Rise to Highest Since 2011on Fed Taper Outlook(抜粋)

更新日時: 2013/06/25 07:07 JST

 
 
 
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