6月24日の米国マーケットサマリー:ドル指数上昇、株価は反落
6月24日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3124 1.3122 ドル/円 97.67 97.90 ユーロ/円 128.17 128.45 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 14,659.56 -139.84 -.9% S&P500種 1,573.09 -19.34 -1.2% ナスダック総合指数 3,320.76 -36.49 -1.1% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .40% +.03 米国債10年物 2.57% +.04 米国債30年物 3.57% -.01 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,277.10 -14.90 -1.15% 原油先物 (ドル/バレル) 94.94 +1.25 +1.33%◎NY外国為替市場
24日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して総じて上昇した。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 が約2週ぶりの高水準。投資家が高利回り通貨から比較的安全だとされているドル建て資産に資金を振り替えたことが影響した。
ドルは対ユーロでもみ合い。25日は5月の米耐久財受注が発表されるが、エコノミスト予想では前月比で増加となっている、また4月の住宅価格指数も上昇が見込まれている。ダラス連銀のフィッシャー総裁が投資家は金融当局による資産購入縮小の計画に過度に反応すべきではないとの見解を示すと、ドルは対ユーロでの上げを失った。
RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は、「利回りを求めた取引が手じまわれ、投資家は買い過ぎた資産を手放しつつある」と述べ、「手じまい売りやキャリー取引の解消を望む投資家の恩恵をドルは受けることになるだろう」と続けた。
ニューヨーク時間午後3時45分現在、ドル指数は0.1%上昇して82.392。一時は5日以来の最高をつけた。
ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3126ドル。ドルは対円で0.3%下げて1ドル=97円65銭。円は対ユーロで0.2%上昇して1ユーロ=128円21銭。
◎米国株式市場米株式 相場は反落。S&P500種株価指数は9週間ぶり安値を付けた。中国の資金逼迫が成長に悪影響を及ぼすとの懸念から、中国株が弱気相場入りしたことにつれた。米国の量的緩和が縮小された場合の影響にも注目が集まっている。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比1.2%安の1573.09と、4月22日以来の安値。ダウ工業株30種平均は139.84ドル(0.9%)下げて14659.56ドル。ダラス連銀のフィッシャー総裁が金融当局による資産購入縮小の計画に投資家は過度に反応すべきではないとの見解を示すと、相場は下げ渋った。
ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング、マネジングディレクターのマイケル・ジェームズ氏は「フィッシャー総裁の発言は、先週のバーナンキ議長発言による悪影響を弱める内容となったようだ。トレーダーやセンチメント主導の市場であり、すぐさまどちらの方向にも動きやすいことに変わりはない」と述べた。
◎米国債市場米国債相場は下げを埋める展開。利回りが2011年以来の高水準となったことで買いが集まった。またダラス連銀のフィッシャー総裁が、投資家は金融当局による資産購入縮小の計画に過度に反応すべきではないとの見解を示したことも材料視された。
米国債相場は一時下落していた。米金融当局が量的緩和を縮小し、最終的には過去最低水準にある政策金利の引き上げにつながるとの見方から、オーストラリアやドイツなど各国の国債相場が下げた。米10年債利回りは先週、週間ベースで40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、過去10年で最大の上げとなった。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が、年内にも量的緩和を縮小させ始め、14年年央には終了する可能性があると述べたことに反応した。
グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「フィッシャー総裁の発言が相場の安定化に多少寄与した」とし、「大半の人が米国債は売られ過ぎだと考えている。フィッシャー総裁が相場を安定させる発言をしたことで、一部に買い安心感が広がった」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時25分現在、10年債利回り は前週末比ほぼ変わらずの2.53%。一時13bp上昇の2.66%となった。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は反落。米金融当局が緩和策を縮小するとの観測を背景に、価値保存手段としての金買いが後退した。
金は21日に一時オンス当り1268.70ドルに下落し、2010年9月以来の安値をつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先週、経済が継続して改善すれば当局は緩和策の縮小を年内にも開始し来年に同プログラムを終了する可能性があるとの認識を示した。ゴールドマン・サックス・グループは2014年までの年末の価格見通しを引き下げた。
シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「当局発信のシグナルが金を失速させた」と指摘。「弱気なセンチメントが一段の売りをもたらし、さらなる下落が見込まれるため、買いが手控えられている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前週末比1.2%安の1オンス=1277.10ドルで終了した。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は4営業日ぶりに上昇。カナダのアルバータ州でパイプライン3本が洪水の影響で輸送停止となったことから、買いが入った。
パイプラインを運営するエンブリッジによると、再稼働のめどはまだ立っていない。米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、カナダは米国の原油輸入源としては世界最大。
みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「市場はアルバータの状況をひどく心配している」と指摘。「洪水の影響は当初思っていたよりひどそうだ。カナダ産原油が輸入されないことで、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)などの油種の需要が高まるはずだ」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前営業日比1.49ドル(1.59%)高の1バレル=95.18ドルで終了。一時は92.67ドルまで下げ、4日以来の安値を付けていた。
更新日時: 2013/06/25 06:10 JST