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只見の浅草岳で山開き 2年ぶり絶景 登山者集まる 観光復興に期待

 平成23年7月の新潟・福島豪雨で登山道の崩落などの被害があった只見町の浅草岳(1、586メートル)が23日、2年ぶりに山開きした。復旧を待ちわびた大勢の登山者が県内外から集まり、奥会津屈指の名峰からの眺望を満喫した。最寄りのJR只見線田子倉駅が3月に廃止されたが、地元の人たちの努力で例年を上回る参加者があり、関係者は「観光復興のきっかけの一つになれば」と期待を寄せた。
 浅草岳は豪雨で登山道の崩落、土砂崩れ、沢に架かる木橋の流失などの被害があり、一般登山客の入山が2年近く規制された。町は昨年秋に復旧作業を完了。雪が解けた今月、安全を確認し、入山できる環境を整えた。
 山開きには県内外から豪雨前の平均を150人ほど上回る約400人が参加した。只見沢登山口を出発し、新緑やヒメサユリを楽しみつつ山頂を目指した。
 補修された登山道を歩く参加者からは「崩れた場所もなく、登りやすい」との声が聞かれた。中腹の尾根で田子倉湖などの景色を堪能した後、残雪を踏み締め山頂に到達。参加者は充実した表情で記念撮影などをしていた。

■JR田子倉駅の廃止受け 登山客バス輸送初の試みも好評
 浅草岳に最寄りのJR田子倉駅が廃止されたことを受け、只見町観光まちづくり協会は山開きに影響が出ないよう登山客をマイクロバスで輸送した。初めての試みだったが、好評だった。
 JR東日本は3月15日、利用客の減少などを理由に同駅を廃止した。浅草岳の山開きではマイカーより列車を利用する人が多かったため、同協会はJR只見駅から代わりの輸送手段を確保した。
 同協会の酒井治子事務局長は「登山客がリピーターになり、町内の他のイベントにも参加するなど観光復興につながればうれしい」と話した。
 山開き式典に参加した会長の目黒吉久只見町長は大勢の登山者が集まったことに感謝するとともに「JR只見線の全線復旧に向けて応援してほしい」と利用を呼び掛けた。

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2年ぶりに山開きした浅草岳で、田子倉湖(右奥)などを眺めながら山頂を目指す登山者
2年ぶりに山開きした浅草岳で、田子倉湖(右奥)などを眺めながら山頂を目指す登山者

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