わたしの勘ってこういう時ぜったい当たってるんだよね。



彼女のところに行ったんだろうなって
さっきから、ずっとそればっかり。





わたしがレイプされたときにも
王子様みたいにかけつけてくれればよかったのに。



なんて


その時出会ってるわけもなく、
たとえ今であっても来てくれるわけもなく、






わたし、結局ひとりなのかも。





今まで人との関係が淡泊で、

あんなふうに
思われてみたいって。






両親は健在だけど、もうだめかもしれん。



ユイ子は、あいつはこういうときそばにいるべき相手じゃない、っていうか。
あいつはちがう。



友達だって、、
わたし合わないの。いまどきの子たちと。

話は全然あわせられるし、爆笑することもできるんだけど
でも確実に無表情なわたしがいる。






結局

リアルのわたしは全部ウソのわたしなんだと思う。





親の前でも
先生の前でも
親戚の前でも
友達の前でも


成績がよくて、運動もできて、ちょっとぬけてて、
憎めなくて、しっかりしてて、人当たりもいい、気も遣える、
聞き上手な人気者みたいなね。

とにかくもう、いい人でいたつもり。

先生うけも先輩うけもいつもいいし、
一人でいればだいたい人が集まってくるし…


優等生面もいいところ。クラスに一人はいるタイプ。






親にも同じで
聞き分けよく、口答えはせず、
規則正しく生活して、成績もキープしちゃってさ。


だけど目なんて合わせられないし、
もう何年もまともに口をきいてない。
うなづくか、返事だけするか。
何か話すときはきれいな敬語、女の子言葉で。


両親は愛してくれていたんだろうけど、
もうだめになりそう。








愛想と聞きわけだけはいいんだよね、わたし。

だからいつもおもてづらがすっごくよかった。



嫌われるわけじゃないし好かれないわけじゃない。







彼女も彼氏もできたけど、恋人の前では
少しだけ素直になれて、

心地よかったな。












だけど今はもうそんなんじゃ足りない。

心地いいなんて生ぬるい。


とはいっても、


生ぬるさは嫌いじゃない。
むしろ好き。




だけど足りない。









わたしが本気で求めてるものはなんなんだろう。










わたしが本当に本当に自分をさらけだせるなんて
性の中だけなのかもしれない。






こんなわたしをあの方に受け入れてもらおうなんて、

受け入れて、許して、心配して、信用して、愛してもらおうなんて、



おこがましいにもほどがある。








もしも受け入れてくれて、許してくれて、心配してくれて、信用してくれて、

あの方がわたしを愛してくれたら


もうどうされてもいい。




もしもわたしにあの方を愛させてくれたら

どんなに汚くされてもいいし、傷つけられてもいいし、
あの人のなかに閉じ込められて
一生でられなくなってもいい。









もしも、もしも、、、、






ああ、

もう




汚いなほんとうに。