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help RSS 78 鵜匠は一羽一羽違う鵜の個性を引き出す(鳥と生きるA)

<<   作成日時 : 2013/04/03 16:35   >>

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1年ほど前、稲山琴美さんという女性が、木曽川の鵜飼の見習いになったことを、珍しいので知っていた。(朝日新聞、2012.5.16、写真も)
幼い頃から虫と遊んだり、水筒にオタマジャクシを入れて家に持ち帰ったり、生きものになじんで育ったが、もともと動物好きだったので、ペットショップで働いたりしていたが、動物とパフォーマンスする仕事をしたいと思っていた。

彼女が鵜匠になれば、約1300年続く犬山市の木曽川鵜飼で初めてのことで、いま木曽川鵜飼には4人の男性の鵜匠がいる。
そしていま、稲山琴美さんは、女性鵜匠のデビューを目前に控えている。

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長良川とともに観光名所で知られる鵜飼は篝火に照らされた川面で、鵜舟に乗った鵜匠が、同時に何匹もの鵜を巧みに操って鮎を捕る伝統的な漁法で、人々は舟に乗って見て楽しむ。
幻想的な夏の風物詩である。
人と鵜が一体になって演じられる様式美は、鵜匠と鵜がいっしょに暮らしてこそ、編み出される、息の合った技であり、代々世襲で受け継がれる。(中日新聞、2012.5.20、上の写真は長良川鵜飼)

稲山琴美さんは、このほど6月1日のデビューを前に、公の場で始めて実演して、若い鵜が、魚を捕ってくれた。(朝日新聞、2013.3.24、写真も)
伝統的な様式美に惹かれて就いた仕事だが、自分らしさを出そうという若い人の気持ちが、伝統を壊さず、かえって伝統をゆたかに引き継いでいくのは魅力的だ。

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鵜も人間と同じで体調管理も大切ですし、性格もそれぞれ違う。鵜の手縄(たなわ)も一羽なら良いが、数が増えると操るのが大変です。
動物を知ってもらうことで、鵜飼の見方も変わるでしょうし、何よりも動物好きになって、帰ってもらいたいです。

一般的なショーと違って、鵜飼は粛々と実演が進む。
彼女は伝統の重さを実感しながらも、武藤孝義師匠たち先人の、自分らしさを出すように、と言うアドバイスは励みになる。
「鵜飼あっての鵜匠ですが、伝統を守りつつ、新しいことにも挑戦したい。」

夏でも夜の川は冷える観客への配慮や、ブログやフェイスブックでの情報発信などのアイデアもあたためていて、市の観光協会職員としてのPR活動にも活躍している。
木曽川鵜飼の観光客は年に2万人ほどだが、低迷しながらも横ばいで人気を保っている。
初の若い女性の鵜匠の登場で、人気が高まることが期待されているが、私は、若い世代や女性にも、伝統的な様式美が引き継がれていくことで、日本人の中に眠っている文化と伝統が、より身近なものになることをうれしく思う。

単に観光イベントやエンタテイメントと違って、人と動物との命が通い合うことの様式と技は、人の心の奥深くにまで届く。
木曽川鵜飼は、10月15日まで行われる。

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