ふくしま子ども大使:福島で交流会、波紋 「放射能が心配」中止求める声 募集窓口・熊本学園大「メリット大きい」理解求める

毎日新聞 2013年06月22日 西部朝刊

 福島県に小学生を派遣する「ふくしま子ども大使」プログラムに対し、原発事故による放射能汚染への不安から、九州の募集窓口の熊本学園大(熊本市)などに中止を求める声が相次いでいる。同大の実行委員会は21日、対応を協議したが「メリットの方が大きい」として事業継続を決めた。

 同プログラムは福島大の学生などで作る福島大災害ボランティアセンター(福島市)が企画した。全国の小学4〜6年生30人を8月16日から3泊4日の予定で福島に招待。会津若松市の仮設住宅訪問や裏磐梯地方での自然体験を通し、被災地の今後を一緒に考えてもらう。

 趣旨に賛同した各地の大学が窓口となり、九州では熊本学園大が今月6日からホームページで派遣する4人の募集を始めた。ところが「福島がどれだけ危険なのか分かっているのか」「放射能の影響を受けやすい子どもを派遣するのはおかしい」などと電話やメールが相次いだ。同大によると、21日までに賛同の声も含めて75件寄せられ、うち反対は69件を占めた。

 同大は21日の協議で事業継続の決定とともに、応募した10人に新たに説明会を開くことを決めた。抗議があったことも話し、辞退できることも伝えた上で、4人を選考するとしている。

 同大に意見を寄せた女性(31)は原発事故後に熊本県へ家族で移住した。「福島の人のために何かしたいという気持ちは理解できる。でも、なぜまだ自分で判断できない子どもを行かせるのか。絶対大丈夫という根拠がない限り、大人は子どもを送り出すべきではない」と指摘。「福島の子どもたちを熊本に招いて交流する方法もあるのでは」と提案する。

 実行委員の吉村千恵・熊本学園大講師は「不安に思う気持ちはよく分かる。ただ、現実に福島に住んでいる人がいて、その中に子どももいるということを日本全体で考えていくには現地で交流するのが一番だと思った」と話す。

 センター顧問の鈴木典夫福島大教授(地域福祉)は「福島の子どもたちも将来は進学や就職で県外へ出て行くかもしれず、今のような限られた人間関係ではいけない。今から手を打ちたい。子どもたちに未来を託したい」と訴える。子ども大使の訪問先では大学の機器で放射線量を測るなどして不安に応えていくという。【澤本麻里子】

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