政治【視線】慰安婦、つかこうへい氏の見方「歴史は優しい穏やかな目で」 阿比留瑠比+(2/2ページ)(2013.6.24 12:43

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【視線】
慰安婦、つかこうへい氏の見方「歴史は優しい穏やかな目で」 阿比留瑠比

2013.6.24 12:43 (2/2ページ)

 「悲惨さを調べようと思っていたら、思惑が外れてバツが悪かったが、慰安婦と日本兵の恋はもちろん、心中もあった。僕は『従軍慰安婦』という言葉が戦後に作られたことや、慰安婦の主流が日本人だったことも知らなかった」

 現代史家の秦郁彦氏の研究によると、慰安婦の4割は日本人であり、朝鮮半島出身者はその約半数だった。この事実についても、ほとんどのマスコミや左派系の政治家らは気付かないか無視している。

 筆者は12年10月に当時、元慰安婦に一時金(償い金)を支給するアジア女性基金の理事長だった村山富市元首相にインタビューし、こう問いかけたことがある。

 「慰安婦の多くが日本人だったことはどう考えるのか。今後は、日本人も一時金の支給対象とするつもりはあるのか」

 すると、村山氏は「うっ」と言葉に詰まったきり、何も答えられなかった。同席した基金理事が、慌てた様子で「今の質問はなかったことに」と取り繕っていた。

 話を戻すと、つか氏は「営業行為の側面が大きくても、人間の尊厳の問題なのだから、元慰安婦には何らかの誠意を見せ続けるべきだ」とも語ったが、歴史の見方はあくまで公正で透徹していた。

 「常識的に考えて、いくら戦中でも、慰安婦を殴ったり蹴ったりしながら引き連れていくようなやり方では、軍隊は機能しない。大東亜共栄圏を作ろうとしていたのだから、業者と通じてはいても、自分で住民から一番嫌われる行為であるあこぎな強制連行はしていないと思う。マスコミの多くは強制連行にしたがっているようだけど」

 そして最後につか氏が述べた次の言葉を、筆者は今こそかみしめたいと思う。

 「人間の業(ごう)というか、こういう難しい問題は、自分の娘に語るような優しい口調で一つひとつ説いていかなければ伝えられない。人は、人を恨むために生まれてきたのではない。歴史は優しい穏やかな目で見るべきではないか」

 つか氏のような視座が、もっと世界に広がることを願う。(政治部編集委員)

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