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  ケルト 作者:天馬 龍星
 アプロディーテー『ギリシアの愛の女神』のトーテム鳥。
Dove(ハト)
 アプロディーテー『ギリシアの愛の女神』のトーテム鳥。

 性的情熱を表す鳥で、女陰が象徴するものと同じものを象徴する。

 インドでもまた、ハトは色欲のシンボルparavataであった。


 ハト-女神は、その夫である男根を表すヘビと交合して、性的結合と「生命」を表象した。


「だから、ヘビのように賢く、ハトのように素直であれ」(『マタイによる福音書』第10章16)。


 これはイエスの言葉であると考えられているが、イエスは思いつくままに喩えたのではなく、シリアの神や女神が、昔から、口にしていた祈りの言葉なのであった。


 そして、オリエントにおいてそれがどういう意味であったかは、ジプシーたちがよく覚えていた。

 ジプシーの民話によると、祖先の霊魂は中空の魔の山の中に住み、男性は『ヘビ』に、女性は『ハト』に変身しているという。

 キリスト教徒は雌バトを聖霊のシンボルとしたが、

 聖霊とは、本来、女神ソフィアのことで、

 女神ソフィアがゼウスの「知恵」を表したのと同じように、

 ソフィアは神の「知恵」を表した。

 グノーシス派のキリスト教徒たちによると、

 ソフィアはハトに化身して、『聖母マリア』を受胎させたという。

 このハトはイエスがバプテスマを受けたときに、イエスの上に降りてきて、イエスの心を受胎させたハトと同じハトであった(『マタイによる福音書』第3章16)。


 教皇グレゴリウス1世を敬虔な気持で崇拝した人々は、ハトの形をした聖霊が、1度ならず何度も、教皇の上に降りてきたと言って、教皇をイエスよりも聖なる者とした。

 こうした話はすべてローマの図像から借りてきたものであった。

 その図像では、人間の霊魂はハトとして表され、

 ハトはハト-女神の大霊から降りてきて、人間の肉体に命を与えたのである。

 アプロディーテーは死、あるいは「平和」をもたらす女神であるが、

 ときには、エイレーネー(「平和のハト」)という名前になることもあった。



 アプロディーテーは死の女神として、
 別名をエピテュムビアEpitymbia(「墓の女神」の意)〔プルタルコス、269B〕と言った。


 古代ローマ人たちは彼女のことをウェヌス〔ヴィーナス〕・コルンバ(ウェヌス〔ヴィーナス〕-ハトの意)と呼んだ。


 彼女の地下墓地、霊廟、そして共同墓地は「ハト小屋」columbariaと言われていた。

 このため、死後、女神のもとへ還る霊魂はまた『ハト』の姿をとるものと考えられた。


 キリスト教徒は、聖人たちの霊魂は白いハトの姿になって、死ぬ瞬間にその口から飛び出ると信じたが、それは以上のようなイメージから借りたものであった。

 カトリック教会の列聖式においては、それが最高潮に達したときに、白いハトが籠から放たれる。

 キリスト教の図像を見ると、聖霊を表すハトから7条の光線が発している。

 こうしたイメージは、さかのぼると、女神を表象する最古のいくつかの例に見られる。

 オリエントでは、神秘の数である7はプレイアデス(「7人の姉妹」)の例に見られた。

 そして、プレイアデスのギリシア名は「ハトの群」の意味であった。

 彼女たちはプレイオネ(「海の女王」)という添え名を持ったときのアプロディーテーの娘たち、すなわち、アプロディーテーの放つ7条の「光線」であった。

 ヘーロドトスによると、ハトたちと言われていた7人の巫女たちが、ドドナ、エピロス、テバン・アモンの神託所を創建したという。

 彼らは、中東地方では、七賢人あるいは叡智の七柱として崇められた。

 女性をかたどった7本の柱は、紀元前3000年の昔から、女神を祀った神殿の支柱となっていた。

 Caryatid. アラブ人は今でも七賢人を崇拝し、その7人が女性、または「ハト」であったことを覚えている人もいる。

「ハト」を表すセム語はioneであるが、これは「女陰」yoniと語源を同じくする語で、女神ウニUniと関連がある。

 ウニは、後には、イウネ、あるいはユーノーになった。

 ハトを祀る祭儀は、昔は、原始的な去勢の儀礼、および、その変形である割礼の儀礼が加わったものであった。

 インドでは、7人の姉妹は、人々を裁いて、「決定的に」傷つけることから、「かみそり」または「切断具」と呼ばれ、クリッティカーKrittikaと言われていた。

 クリッティカーは「世界の7人の母親たち」で、クリッティカーが語源となってギリシア語のkritikos(裁く)ができた。

 この7人は神々を殺しては『再生させる』が、彼女たちを、人間の女性と同様、受胎させるために神々は去勢されるのであった。

 女王セミラミス(伝説ではバビロニアの建国者)の名前も、シリア語では、ハトの意味であった。

 女王は彼女の夫をすべて去勢したという話であった。

 去勢に代わって割礼が行われるようになっても、ハトが関連した。

 キリスト教のシンボリズムにもハトは関連があった。

 キリスト割礼の祝日の公認のシンボルはハトであった。

 ハトはその嘴に「聖なる包皮」を表す輪をくわえている。

「豊穣をもたらすキリストの血」は五旬節の同じエンブレムと関連があった。

 そのエンブレムは血の色である赤を背景にハトが舞い降りてくる図で表され、これはキリストと殉教者の血によってキリスト教会が精神的に豊かになることを表すものであると公表された。

 聖コルンバ(聖なるハト)と呼ばれたある「殉教聖女」は、実在の人物ではなかったが、とくにフランスにおいて、広く崇められた。

 異教のハト伝承でありながら、奇妙にも生き残ったひとつのものに、聖ペトロの添え名があった。

 それはバル-イオナという名で、ハトの息子という意味であった。

 その他生き残ったものもあるが、中には、ハトがアプロディテーとアスタルテーのシンボルとして古代の貨幣にその姿を見せたということを説明するために、

 わざわざ作られたと思われるものもある。






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