人間が動物に変じられているという要素は、狐が活躍するスコットランド民話にも見られ(そこでは光の剣は "White Glave of Light. スコットランド・ゲール語: an claidheamh geal soluis)と称される)。また、ある民話では、女主人公を手助けする猫が、のちに人間の王女の姿に舞い戻る ("The Widow and her Daughters"[12]) 。
主人公の助っ人が動物なケース(スティス・トンプソン(英語版) の分類 В 300 Helpful animal)では、動物の数が三種類であるパターンがみられる。
そこでは光の剣におきかわり「鋭利の剣」("sword of sharpness")であるが、主人公は、姉たちを不思議の国に尋ねに行き、大きな牡羊・鮭・鷲の変わり姿をもつ義兄たちから、
それぞれ羊毛ひとつかみ、ひれのかけら、羽一枚をもらい、
これらの品々の不思議な力によって鮭の魚群、羊の大群、鷲の集団を召還し、
秘密の卵を得たのち、これを巨人の腕下の黒子に命中させて倒す。
(また、単に卵をつぶせば巨人が死ぬ例が、"The Young King of Esaidh Ruadh"である。
この卵はアアルネ=トンプソンの民話分類(AT分類)の AT 302 「卵に入っている鬼(悪魔)の心臓。」"The ogre's (devil's) heart in the egg"、トンプソンの分類 E 711.1. に該当する。)
光の剣の属性
ある民話ではフィアハ・オ・ドゥダ(?)(Fiacha O'Duda)が所有する光の剣は、
ダイヤモンドをちりばめた柄をもち、暗い色合いの鞘から抜身の刃が三インチほどのぞいただけで、窓なしの寝室が、直射日光を受けた部屋のように輝いていたといわれる。
("The Story of the Sculloge's son from Muskerry"[15])。
他にも地下の岩穴の暗がりを照らす("Tale of Connal"[16])、夜中に井戸の水汲みに来た使用人が光源として使う("Maol a Chliobain"[17])などの民話がある。
またある作品では、「[鞘から]抜きはらうたびにその閃光は世界を三度めぐり、どんなに軽い一撃でも、森羅万象のものも魔性のものとわずに殺してしまう」とも、「命にかぎりある人間(mortal man)なるぬ者が製作した」とも描写されるが、これは現代作者による潤色であろう(MacManus, "The Snow, the Crow, and the Blood"[19])。
参考までに、上の一例の話「雪とカラスと血と」(?)にごく粗筋が近いのが、ダグラス・ハイドが収集した「アイルランド王の息子」(Mac Riġ Eireann; The King of Ireland's Son)[20]という話であるが、そこでは王の息子らが得る「三つの刃の剣」("the sword of the three edges"; cloiḋeaṁ na tri faoḃar)は、「この剣でどこにでも一撃をくわえれば、たとえ鉄が前にはだかっても砂に達する(大地を切る)」[21]というものであった。