県内ニュース

主要

  • Check

登山道20年ぶり復元 吾妻連峰一切経山ルート6キロ

 日本山岳会福島支部は22日までに、吾妻連峰の登山道の一部を約20年ぶりに復元した。登山道は昭和24年、支部の初代メンバーらが整備したが、利用者の減少により荒廃していた。「山を愛した先人の思いを後世に伝えよう」との思いから、現在の支部員らが3年がかりで手入れした。
 復元した登山道は高湯温泉から一切経山に向かうルートの一部で、「賽河原(1、380メートル)」と「シモフリ鞍部(1、450メートル)」と呼ばれる地点を結ぶ約6キロ。高所からの絶景と高山植物のイワカガミやシャクナゲが楽しめる。昭和22年の支部設立後、当時のメンバーが中心となり整えた。だが、一般的な登山道から離れた上級者向けコースのため利用者が少なく、20年ほど前からササや木の枝が生い茂り、歩けない状態となっていた。
 支部は設立65周年事業の一環として、平成23年度から復元作業に着手した。メンバー10人ほどが現地に入り、ササや枝を刈り払った。
 今月まで延べ3日間の作業に励み、地図を頼りに、開設当時のルートをほぼ忠実に再現することに成功した。
 事業をスタートした際に支部長を務めた福島市の大谷司さん(69)は「先人の思いを将来に継承したかった。登山者に静かで雄大な山の魅力を感じてほしい」と語った。

カテゴリー:主要

復元した登山道の「シモフリ鞍部」からの景色
復元した登山道の「シモフリ鞍部」からの景色

主要

>>一覧