あぶくま抄(6月23日)
2020年夏季五輪の招致レースが正念場を迎えている。3都市に絞られた。9月7日の開催地決定まで3カ月を切った。東京が「安全、安心」を訴え、一歩リードしている。
招致は国内の「支持率」が重要だ。東京は昨年、低迷にあえいだ。今年に入り合格点とされる70%に到達し、日本世論調査会の調べで82%まで上昇した。猪瀬直樹都知事による「イスラム教国はけんかしている発言」でも窮地に陥った。最近、ライバル都市の国情不安や経済危機といった「敵失」により、相対的に東京の評価が上がっているという。
きょうはオリンピックデー。1894年、クーベルタン男爵の提唱で近代五輪の開催が決まった日だ。スポーツの祭典は第二次世界大戦による中断、東西冷戦のボイコット問題を克服してきた。東京開催は震災と原発事故を乗り越えるという思いもこもる。「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」。招致スローガンだ。復興に向かう福島を後押しするに違いない。
7月末から関連イベントの「青森-本県-東京」1000キロリレーが催される。全国の走者が被災地を駆け、気持ちを一つにする。より強い日本の絆は、きっと東京五輪開催を射止める。
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