メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック
都議選終えて―野党は対立軸を鮮明に

きのうの東京都議選で、自民党と公明党は、候補者全員を当選させる完勝をおさめた。身近な都政の課題より、安倍政権の経済運営の是非に焦点が当たった選挙戦だった。このところ足踏[記事全文]

沖縄慰霊の日―戦争の教訓共有しよう

本土の目に映る沖縄は、沖縄の人々が真に見てほしい姿だろうか。それとも、本土が自分の都合で描く沖縄だろうか。きのう「慰霊の日」を迎えた沖縄と本土との間に最近、ひときわ意識[記事全文]

都議選終えて―野党は対立軸を鮮明に

 きのうの東京都議選で、自民党と公明党は、候補者全員を当選させる完勝をおさめた。

 身近な都政の課題より、安倍政権の経済運営の是非に焦点が当たった選挙戦だった。このところ足踏み気味の株価だが、それでも首都の有権者は、アベノミクスに一定の期待を示したといえるだろう。

 ただ、自民党が野党の不振に乗じた面が強いことは否定できない。民主党は議席を激減させ、第1党から第4党に転落した。都議選初挑戦で候補者を大量に立てた日本維新の会も、まったく振るわなかった。

 橋下徹大阪市長の慰安婦発言が批判を招いただけでなく、石原慎太郎氏との「謝れ」「謝らない」の茶番が有権者をしらけさせた。

 一方、共産党が議席を倍以上に増やしたことは注目に値する。反アベノミクス、原発ゼロ、憲法改正反対を明確に打ち出し、政権批判票の受け皿になったことは間違いない。

 来月21日とされる参院選まであと1カ月。過去には、都議選が直後の国政選挙の結果を先取りするようなこともあった。

 だが、近年の国政選挙は風向き次第で結果が大きく左右される。特に今回は、アベノミクスが最大の争点だけに、市場の動きからも目が離せない。

 安倍首相は衆院選の直後、「自民党に百%信頼が戻ってきたわけではない」と話していた。得票率でみれば、惨敗した09年から大きく伸ばしたわけではなかったからだ。

 ところが、そうした謙虚さや緊張感は、このところ急速に失われつつある。

 典型的なのは、休止中の原発の再稼働や海外への原発輸出に前のめりの姿勢をあらわにしていることだ。高市早苗・党政調会長が「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」と語り、猛反発を受けた。

 そんな横暴や、なし崩しの方向転換を許さないためにも、いつでも政権を取って代われる力強い野党の存在は不可欠だ。

 とりわけ、つい半年前まで政権を担っていた民主党の責任は重い。

 いまの国会で民主党は精彩を欠いた。予算委員会では、株高を誇る安倍首相に切り込めなかった。民主党政権が掲げた「原発ゼロ」の目標をほごにされたのに、世論を盛り上げて対抗することができなかった。

 政権に対峙(たいじ)する迫力が必要なのは、都議選での共産党の戦いぶりを見ても明らかだ。参院選に向け各野党は、説得力のある対立軸を示さねばならない。

検索フォーム

沖縄慰霊の日―戦争の教訓共有しよう

 本土の目に映る沖縄は、沖縄の人々が真に見てほしい姿だろうか。それとも、本土が自分の都合で描く沖縄だろうか。

 きのう「慰霊の日」を迎えた沖縄と本土との間に最近、ひときわ意識のずれが目立つ。

 たとえば普天間飛行場問題。県外移設を訴える沖縄の声に、本土はもはや聞く耳をもたぬかのようだ。参院選の公約で自民党本部は、県連の反対を押し切り、辺野古移設を明記した。

 4月に政府が催した「主権回復の日」式典をめぐっては、沖縄は米施政下に置き去りにされた「屈辱の日」と抗議した。一方、オスプレイ配備の本土分散は遅々として進んでいない。

 沖縄から見る本土への心の距離は開くばかりだ。ところが皮肉にも、人々が国家主権を語るとき、沖縄はがぜん、本土の意識の中で重い存在感を担う。

 中国共産党の機関紙が、沖縄における日本の主権は未解決とする論文を掲載すると、日本政府はただちに抗議した。中国への国民の憤りは当然だ。

 だが、「領土」「安保」の文脈では日本人の自尊心を映す国土であるのに、沖縄県民の目線に立つ「地元」の声は本土に届かない。そんな本土と沖縄を分かつ溝の原点を、わたしたちは常に熟考する必要がある。

 最大の悲劇は太平洋戦争末期の沖縄戦だった。68年前、本土防衛を前に、戦略上の捨て石とされた沖縄は、地上戦の修羅場と化した。

 「鉄の暴風」といわれた米軍の砲撃や空襲。日本兵に殺されたり、集団死を強いられたりした地元民もいた。死者20万。県民の4人に1人が落命した。

 あの戦場をくぐった高齢者の4割が今も、心にストレス障害を患っている可能性が高いとの調査結果を、沖縄の研究者たちが今春まとめた。不発弾や遺骨は今も日常的に見つかり、米兵の犯罪もあとを絶たない。

 「戦争」は沖縄の人々の中では、今も終わっていないのだ。なのに、本土はその思いを共有しないどころか、軍事基地の重荷を沖縄に過剰に背負わせたまま、憲法改正による「国防軍」創設まで語り始めている。

 きのうの追悼式で、沖縄県の仲井真弘多知事は、癒えることのない痛みにふれつつ、「私たちは沖縄戦の教訓を継承する」と誓った。日本の戦後の安定と繁栄は何を犠牲にして築かれたのか。その教訓を沖縄だけのものにしてはならない。

 「慰霊の日」を機に、いま一度、沖縄戦の記憶を直視しよう。沖縄と本土の意識のずれを少しでも修正するために。

検索フォーム

PR情報

注目コンテンツ

  • ショッピングビデオ買うなら今でしょ

    ズーム重視か手ぶれ補正か?

  • ブック・アサヒ・コム壇蜜が老舗誌に見せた素肌

    ヌード特集 撮影3600枚

  • 【&M】&Mから読者プレゼント

    ホームシアターシステムなど

  • 【&w】「私は男性が必要」

    素顔の河瀬直美とは?

  • Astandトルコのデモを読む

    人々は何を求めているのか

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014