静岡県知事選:川勝氏大差で再選 浜岡、県民投票を公約
毎日新聞 2013年06月16日 23時28分(最終更新 06月17日 00時33分)
任期満了に伴う静岡県知事選が16日投開票され、中部電力浜岡原発(同県御前崎市)の再稼働の是非について、県民投票で判断する方針を掲げた無所属現職の川勝平太氏(64)が、自民が支持する新人候補ら2人を破り再選した。中部電は東海地震など南海トラフを震源とする巨大地震に備え安全対策を2015年春までに終える方針だが、再稼働には今後、県民投票という高いハードルが立ちはだかる。当日有権者数は302万6955人、投票率は49.49%(前回61.06%)。
川勝氏は県民投票の実施時期を明らかにしていないが、実現すれば米軍基地の整理・縮小と日米地位協定見直しの賛否を問う沖縄県民投票(1996年)以来で、原発再稼働の是非を問うのは全国初。
浜岡原発は東日本大震災後の11年5月以降、政府要請で停止している。選挙戦で川勝氏は再稼働の前提として(1)徹底的な安全性の検証(2)使用済み核燃料の処理方法確立(3)県民投票の実施−−を挙げた。前回は民主などの推薦を受けたが、今回は「脱政党」で臨み、一部経済界など自民支持層も取り込み優位に選挙戦を展開。民主と連合静岡が水面下で組織票を固めた。再選を決めた川勝氏は再稼働について「最終的にどうするかは主権者である住民に聞くべきだ」と約束した。
自民党県連は川勝氏の対抗馬として、県民投票に否定的な元多摩大教授の広瀬一郎氏(57)を擁立。しかし、参院選への影響を考慮して党本部は推薦せずに支持にとどめ、自民の組織は空回りした。公明も推薦を見送った。高支持率が続く安倍晋三内閣だが、5月のさいたま市長選では与党推薦候補が敗北し、千葉市長選は不戦敗。「地方での地力はまだ回復していない」(自民党幹部)と懸念する声も広がり、参院選での与党戦略に微妙な影響を与えそうだ。
共産新人の島津幸広氏(56)は県民投票に触れず、浜岡原発の廃炉を主張したが及ばなかった。【樋口淳也】
◇静岡県知事選確定得票数
当1,080,609川勝 平太<2>無現
345,617広瀬 一郎 無新=[自]
61,980島津 幸広 共新