「静岡を全都道府県で一番面白くする」「県民の暮らしを立て直す」「県民による県民のための県政を行う」−。15日夜、県庁所在地の静岡市中心街に、知事選3候補の振り絞るような声が響いた。17日間を戦い抜いた候補たちが、最後の最後に訴えたいお願いは一つ。「投票に行ってください」
◆広瀬さん 「自民候補」前面に
自民党県連の推薦を受ける広瀬一郎さん(57)は、静岡市葵区の繁華街にいつもの赤いシャツ姿で立ち、張りのある声で最後の訴えをした。
国政、県議会を押さえる自民党と知事が対立する構図を指摘し「静岡でねじれが残れば、日本丸の足手まといになってしまう。それは県民のプライドが許さない」と現職をけん制。最後は「イチローコール」に応じ、ポーズを決めた。
党本部からは茂木敏充経済産業相と谷垣禎一法相が応援に駆け付けた。谷垣氏は「党と連携し、静岡の力を引き出せる知事になってほしい」と最後まで党を前面に押し出した。
◆島津さん 締めも「浜岡廃炉」
島津幸広さん(56)は終日静岡市内で遊説した。午後7時前に葵区のスーパーに到着すると、日焼けした笑顔を見せながら、選挙カーの屋根に元気よく駆け上がりマイクを握った。
最終日も、初日と同じ浜岡原発(御前崎市)の再稼働阻止から演説をスタート。「静岡から、原発は要らないという声を広げよう」と力を込めた。演説を終えると買い物客に駆け寄り手を握った。
続く新静岡駅前では降りだした雨の中、片手で傘を差し支持を訴えた。「時間に余裕ができた」と最後に党県委員会近くで、疲れも見せずに追加の街頭演説もこなした。
◆川勝さん 「ふじのくに」熱く
前回選で学生から贈られた青いTシャツを重ね着した川勝平太さん(64)は、JR静岡駅南口で最後のお願い。支援する県議や市内の財界有力者らも顔を出した。
まず、公務と選挙を掛け持ちした川勝さんと二人三脚で戦った妻貴美さん(65)が「世界一の知事にしてください」と声を張り上げた。
続いて川勝さんが支援者から受け取った花束を握りながら「ふじのくにづくりを静岡県から発信していく」と熱弁。「3人候補がいるが、県民一人一人の代表は私しかいない」と訴えた。最後は「ありがとうございました」を3回連呼し、一礼してマイクを置いた。
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