【香港=川瀬憲司】米政府が個人情報を秘密裏に収集していた問題を暴露した米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン容疑者が23日、潜伏先の香港を離れた。香港政府が同日、声明を発表して明らかにした。ロシアのインタファクス通信は同日、元職員は香港からモスクワとキューバを経由し、ベネズエラに向かうと伝えた。
香港政府の23日の声明によると、スノーデン元職員は「自らの意思に基づき、合法かつ正常な手段により、香港を離れ、第三国に向かった」という。元職員については、犯罪人の引き渡し協定を結んでいる米政府から「臨時の逮捕状を出すよう求められていた」と正式に表明した。
香港政府は、米政府がスノーデン元職員の身柄拘束のために提出してきた文書が香港の法律で定めるすべての要件を満たしておらず、米政府に追加の資料提供を求めていたことも公表。このため元職員が「香港を離れることを制限する法律上のよりどころがなかった」と説明した。
米政府にはスノーデン元職員が香港を離れたことを通知。また、元職員が暴露した米情報機関による香港のコンピューターシステムへのハッキングの疑いについて別途、正式な釈明を文書で求めたとしている。
一方、香港の英字紙、サウス・チャイナ・モーニング・ポストの電子版は23日午後、スノーデン元職員は同日午前11時(日本時間23日正午)ごろに、香港からモスクワ行きのロシア・アエロフロート機に搭乗したと伝えた。ただし、最終的な目的地はロシアではなく、アイスランドかエクアドルの可能性があると伝えた。
アイスランドはスノーデン元職員が政治亡命の希望先としており、エクアドルは内部告発サイト「ウィキリークス」創設者のジュリアン・アサンジ容疑者の政治亡命を認めている。
これに関連し、ウィキリークスは23日、スノーデン元職員が香港を離れ「民主的な国への政治亡命を(求めることを)支援した」と、短文投稿サイト「ツイッター」を通じて表明した。元職員にウィキリークスの顧問弁護士が同行していることも明らかにした。亡命を求める具体的な国の名前には言及していない。
ロイター通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は23日、スノーデン元職員の所在や行き先は把握していないと述べた。ロシアへの亡命の可能性を事実上否定した発言とみられる。
またロシアのインタファクス通信は23日、アエロフロート航空関係者らの話として、スノーデン元職員はモスクワ経由で24日にキューバに向かうと伝えた。
スノーデン元職員の身柄を第三国に逃がした香港政府の今回の決定の背後には、中国政府の意向が反映されているとの観測もある。香港の国防と外交については、中国政府が担うことが香港の憲法にあたる基本法に明記されており、今回の事件については米国を相手とする外交や、ハッカー事件という国防問題とも解釈できるためだ。
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