【ニューデリー＝共同】22日のインドメディアによると、同国北部ウッタラカンド州の山間部などを襲った豪雨の死者は550人以上になった。州首相が明らかにした。最も被害が大きい同州では豪雨が続いた今月中旬に、例年を大きく上回る雨量を観測、ヒマラヤ地域で起きている地球温暖化の影響を指摘する声もある。

　洪水や土砂崩れに巻き込まれた犠牲者は、山間部にある同州の住民のほか、州内各地にあるヒンズー教巡礼地を訪れていた巡礼者ら。多数が行方不明になっており、最終的な死者は千人単位になるとの見方も出ている。

　ＰＴＩ通信などによると、政府は22日、ヘリコプター約40機を出し、道が寸断され孤立している約３万～４万人の救出を続行。外国人旅行者17人も救出された。在インド日本大使館によると、日本人が被災したとの情報は入っていない。

　一方、22日付のタイムズ・オブ・インディア紙によると、インド地球科学省の高官は、直接の原因は分からないとした上で、ウッタラカンド州各地で鉄砲水を引き起こした豪雨が温暖化による異常気象の可能性があるとの見方を示した。

　ＡＰ通信によると、同州では６月中旬、例年の５倍の雨量を記録した。

　同州の北部を含むヒマラヤ地域では近年、氷河や雪の減少が懸念されている。イタリアの大学などの研究グループによる最近の調査結果では、世界最高峰エベレストの氷河の総面積が過去約50年で約14％減少、温暖化が原因とみられている。