アーサー王と円卓の騎士の活躍を描く中世騎士物語は、昔からずっと世界じゅうの人々を魅了してきた。
アーサー王というと、読者の方々はどのようなイメージをもっているのでしょうか。
夏目漱石の『薤露行』の中で、美しいエレーン亡骸を載せて「杳然として何處ともなく去る」舟の情景を思い出される方もいることでしょう。
アーサー王と円卓の騎士の活躍を描く中世騎士物語は、昔からずっと世界じゅうの人々を魅了してきた。
それというのも、アーサー王の物語は高潔な騎士道とロマンス、英雄と裏切り、そして輝く鎧の騎士と美しい乙女のストーリーだからだ。
アーサー王の伝説は無数にあるが、おおむねこういう内容だ。
昔々、英国にウーサー・ペンドラゴンという偉大な王がいた。
王は自分の死後に周辺諸国から王位を守るための手段を講じた。
わが子アーサーを守るために、マーリンという魔法使いを呼び、自分が死ぬ前に、アーサーだけが王位を継げるような魔法をかけさせたのだ。
マーリンは王の長剣を石に載せた鉄床に突き刺し、強力な魔法をかけた。
石にはこう刻まれていた。
この石と鉄床に埋められた剣を、抜く者こそ、英国の正当な、王位を継ぐ者である。
月日は流れ、アーサーはマーリンの庇護【ひご】の元で成長した。
ウーサー王は老いやがて世を去った。
王の死の話が広がると、列強や王位を狙う者たちはたちまち剣の石の前に列をなした。
誰もが渾身の力をこめて剣を抜こうとした。
だが、剣を引き抜ける者はひとりとしていなかった。
アーサーは剣の魔法のことも、自分が王の血筋だということも知らずに育っていた。
ある日、馬に乗ってたまたま剣の石のそば通りかかったアーサーは、巨大な剣岩に突き刺さっているの見て、不思議に思った。
その剣が気に入ったアーサーは、誰のものでもなさそうに見えたので、なにげなく剣を抜くと、そのまま剣を持ち帰ってしまった。
ことの次第を知った人々は、アーサーこそが英国の王であることを知った。
やがて、アーサーはさらにすばらしい剣、エクスカリバーを手に入れることになる。
その剣は湖の乙女と呼ばれる妖精から授けられたものだった。
マーリンの言葉によれば、エクスカリバーの鞘は剣そのものよりも強力であり、剣が鞘にあるがぎり、アーサーはどれほどの傷を負おうと血を流すことがないという。
まもなく、アーサーは近隣の王国の美しい姫クウィネヴィアと恋に落ち、結婚した。
姫の父親は結婚祝いにとして大きな円形のテーブルをアーサーに贈った。
アーサーはそのテーブルを囲む椅子に世界中の偉大な騎士をすわらせようと考えた。
そうして、彼はサー・ガウェイン、サー・ガラハット、高潔なサー・ランスロットら、二十八人の騎士たちを集めた。
その後、アーサー王と円卓の騎士団はともに戦い、多くの勝利をおさめた。
しかし円卓の騎士を滅ぼす元となったのは、幻の聖杯の探索だった。
キリストと使徒たちの最後の晩餐で使われ、さらに、十字架にかけられたキリストの体から流れる血を受けたとされる聖なるゴブレットのことである。
聖杯を求める長くむなしい探索のため、アーサー王は多くの騎士を失った。
さらには、王妃クウィネヴィアを最高の騎士といわれたサー・ランスロットに奪われることとなった。
ついに死を迎えることとなった時、アーサー王は、湖の乙女が住む神秘の湖にエクスカリバーを投げた。湖の乙女は剣を受けとり、それを大きく三度振り、波間に消えた。
以上がよく知られたアーサー王の物語である。
この物語は広く知られ、世界中の人々に愛されてきたが、ひとつの伝説にすぎない。
アーサーの真実の物語は、もっと別の時代、もっと別の場所で起こったのである。
そうは言っても、真実のアーサーの生涯も、伝説に負けず劣らず波乱に満ちた、すばらしいものであった。
アーサーが実在したと考えている。
そして、アーサー王の伝説は一千年も前、暗黒時代と呼ばれる時代に生きたひとりの英雄の生涯から生まれたのだという。
イギリスにおける近年の考古学上の発見と、歴史における再評価とが、アーサーの真実の姿になった。
考古学上の証拠によれば、アーサーは実際にサルマティア人の騎士ウーサー・ペンドラゴンと英国女性コーンウォールのイグレインとの間に生まれたことが分かった。
西暦一八三年にはローマ帝国の版図はアラビラから英国にまでおよんでいた。
だが、ローマ人たちはそれだけでは満足しなかった。
さらに多くを……さらに多く土地を、さらに多くの臣下を望んだ。
ローマに忠誠を誓い、いいなりになる民族を。
それにはローマ征服された民族の中で、黒海沿岸に住んでいた勇敢なサルマティア人の騎兵隊ほど役に立つものはなかった。
ローマ帝国との戦いに敗れたサルマティア人は、一族の命の代償として、自分たちの騎士団をローマ軍団の一員としてさしだした。
ローマの戦いで命を落としていたらよかったのにと思う騎士も少なくなかった。
というのは、ローマ帝国との取り決めでは、彼らだけがローマ軍に編入されるだけでなく、その息子も、そのさらに子孫も、ローマ帝国の騎士団として、英国で十五年間も警護の任につかなければならなかったのだ。
過酷な任務は二百年にわたってつづいた。
サルマティア人は代々、若者たちを黒海沿岸の故郷から遠く英国まで送り出しつづけた。
ローマ帝国を守るべく戦わせるために。
サルマティア騎士団はローマ帝国駐屯軍の指揮下に入った。
サルマティア人騎士団の長は、初代のリーダの名を借りて、代々アルトリウスすなわちアーサーと名乗った。
ガウェイン
ケルト族の神話では、ガウェインは オークニーのLot王か太陽神 Lugの息子でした。
ガウェインはアーサーの最も忠誠で高貴な追随者のひとりでした。
ある大晦日に、未熟な 巨人は、 キャメロットでホールへ乗って行って、彼自身の頭を切り離させるために巨人の 城を訪問するためにそこで酔ってと、次に、1年後に切れるように最も勇敢な戦士に挑みました。
ガウェインは、応戦して、 巨人を斬首しました。(その巨人は、彼の頭を迎えに行って、駆け去りました)。 1年より遅いガウェインは、 巨人で検索を調べて、Bertilak 卿の 城に来て、3つの 昼、3夜、そこで楽しみました。 各夜のBertilakの妻は、ガウェインに来て、彼を唆そうとしました、そして、各回のガウェインは彼女に抵抗しました。 4日目に、 城の構内では、単独で、ガウェインは、彼の頭を切り落とさせに 巨大で曲がった下で来ました。 巨人の3倍は斧を振りました、そして、その都度彼は、ぱったり止まりました、見えなくなるのとBertilakが彼のところに立つ前に。 '彼がBertilakの妻のこころづくしに抵抗したとき、Bertilakは、 全体のことが、最も勇敢な's アーサー追随者を見つけるためにはモーガンle Fayによるテスト・セットであり、斧の各スイングが一夜あったとガウェインに言いました。 誘惑に陥ったなら、彼は死んだでしょうに。
ケルト
古代ヨーロッパのほぼ全域に住みついていた先住民とその文化のこと。
一時はローマを占領し、アレクサンダー大王とも渡り合うほど強力だった。
新約聖書の《ガラテア》は、ケルト人が小アジアに建てた国。
ケルト人の人々は自然の中に神々を見いだす多神教で、祖先・英雄を崇め、「霊魂の不滅」を信じた。
ケルト神話にはさまざまな妖精や怪物が登場し、現代のファンタジー文字に大きな影響を与えている。
10月31日の《ハロウィーン》も、もとはケルトの祭りだと言われている。
一世紀ごろ、ケルトはローマ軍、サクソンなどゲルマン人におされて北上し、
現在のアイルランド、ウェールズ、スコットランドでかうじて独立をもった。
ゲール語、ウェールズ語、フランス、ブルターニュのブルトン語、
イギリスのコーンウォール地方やマン島の言葉がケルト語として残っている。
ブランウェン
ケルト伝承物語『マビノギ』に登場する悲劇の女性。
ブランウェンは、ウェールズの王である兄ブランにより、アイルランドの王と政略結婚させられた。
世継ぎとなる男子の子を産み、最初は幸福に暮らしていたが、ウェールズを憎む者たちの手によって虐待を受けるようになった。
それを知った兄ブランは復讐のため、兵を率いてアイルランドに向かい、両国の間で戦闘が始まる。 アイルランド軍が魔法の大釜を使って使者を復活させるので、戦闘はなかなか決着がつかなかったが、結局はウェールズ軍が勝利を収めた。
だが、生き残ったウェールズ軍はたった七人。
ブラン自身も瀕死の重傷をおっており、家臣に命じて自らの首をはねさせた。
その諍いの中で最愛の子共まで失ったブランウェンは、ウェールズに帰郷したものの、悲しみのあまり心臓が張り裂けて亡くなったという。
『三』という数字を象徴
ニムエ
アーサー王伝説に登場する美貌の妖女。
ビビアン、ニミュエ、ニニアン、ニーマン、また湖の貴婦人(精霊)などとも呼ばれる。
ニムエはマーリンを誘惑し、その寵愛を利用して、様々魔術をマーリンから学んだ。
そして、最後にその恩師に呪文をかけて牢獄に閉じこめた。
牢獄については、大岩の地下、空中の塔、洞窟、大木の中など、様々な説がある。
アーサー王に聖剣エクスカリバーを授けたのもニムエといわれ、
マーリンを閉じ込めた後は、老魔術師のかわりにアーサーの助言者・擁護者となった。
NIMUE
ケルト族の神話ではニミュエは マーリンを愛していた形の切換器でした。
魔法の コンテストの後に、彼女は、いつまでも、自分を1滴の こはくに変えて、彼を巻き込むことによって、彼を捕らえました。
エクスカリバー
アーサー王の聖剣。
アーサーが石の鞘から引き抜いて自分が王であることを証明した剣とは別のモノとする説もある。
石から引き抜いた剣が、ペリノア王との戦いで真っ二つに割れてしまった後、マーリンはアーサーを美しい湖に連れていった。
湖の中から白い手が現れた――手には、一本の剣が握られていた。
それが、妖精の国アバロンで造られたといわれる聖剣エクスカリバーだった。
エクスカリバーは、「松明のようにこうこうと輝き、鋼や石をラクラク切り裂き、宝石で飾られた鞘を身に付けていれば負傷をさまたげ不死身となる」といわれていた。
だが、魔力を持つ鞘は盗まれたあと永遠に失われてしまう。
不死身でなくなったアーサーは戦いで致命傷をおい、死を目前にしてエクスカリバーを湖に返した。
アバロン
アーサー王伝説の中で、死に瀕したアーサーが運れたいったとされる異世界の島。
「地上の楽園」ともいわれる。
そこでは、みな歳をとらず、永遠に栄えつづけるという。
アバロンは実在の場所だったと考える説もある。
場所については諸説様々(しょせつさまざま)あるが、有力候補地の一つが、イギリスのグラストンベリーである。
ここはかつて沼地で、湖に浮かんだ小島のようだったことと、
アバロンはケルト語で「りんごの島」を意味することから、りんごの木がたくさんあったグラストンベリーが候補にあがったのだろう。
12世紀末には、ここでアーサー王の墓が発見されたという記録もある。
もっとも、多くのアーサー王伝説では、アーサーは死んではおらず、妖精たちの住む異界の島アバロンで生きつづけており、いつの日か戻ってくると信じらている。
「永遠の王」とされるゆえんである。
ルーン文字
古代ヨーロッパで使われていた文字体系。
一つ一つの文字はルーンと呼ばれ、ルーン文字のアルファベットは、最初の六つ文字の頭をとってフサルクと呼ばれる。
ちなみにルーンは「神秘」を意味する。
発祥は、一世紀ごろといわれているが、発祥の時期や起源については諸説様々で、はっきりしたことはわかっていない。
ルーン文字は木片などに刻んで使われていたため、直線的で角ばっている。
古代、呪術にも用いられ、またひとつひとつの文字に意味があることから、現代では、魔法の文字としてお守がわりなどにもされている。
ペンドラゴン
ペンドラゴン
「竜の頭」を意味する。
アーサーの父、ユーサーの添え名であったように、ペンドラゴンは、ケルト系氏族の王または族長に付与される一種の称号であった。
アーサー王
五、六世紀ごろ生まれた伝説のブリテン王。
ローマ軍に属してサクソン人と戦った実在のブリテン人指揮官アルトリアウスがモデルとされているが、《アーサー王伝説》にはケルト神話やフランスの聖杯探究物語の影響も大きい。
物語のアーサーの人生には魔術師マーリンが深くかかわっている。
アーサーは、ブリテン王ウーゼル・ペンドラゴンがマーリン魔力でティンタジェル城の王妃イグレーヌの寝室に忍びこんだ夜にさずかった子とされ生後はマーリンの手で養父エクターあずけられて成長した。
「これを抜いた者を王となるであろう」と刻まれた台座から剣を抜いてブリテン王となり、キャメロットに城をかまえる。
王妃グウィネヴィア、サー・ランスロットなど《円卓の騎士》たちの繰り広げる物語は、長い間世界中で愛されいる。
アーサーは、マーリンの予言通り、モードレッドとの戦いで瀕死の傷を負い、湖の妖精たちに《アヴァロン島》へ運ばれたということになっている。
キャメロット
アーサー王の王国、ログレスの都。アーサー王はこの地にキャメロット城を築き、多くの戦いに出陣したという。
その正確な位置は失われ 良く分かっていないが、おそらくローマ帝国による支配が終わった後のブリテン島にあったローマ系人の支配地域。
巨人の石
アイルランド、ウェールズ、スコットランドはもちろん、コールウォールやブルターニュなどのケルトの色濃い地方には、巨大な石の遺跡が数多く残っている。
ストーンヘンジなどの《ストーンサークル》や、テーブル状のに積んだ石だ。
いつ、だれが、どのようにして巨石を置いたのか、詳細はいまだ不明だが、巨石ではケルトの儀式がおこなわれていたと考えられている。
ケルト神話にはバロール、ガウルなどとよばれる巨人がたびたび登場する。
ケルトの人々はおそらく巨石の遺跡を、巨人とむすびつけて考えていたのだろう。
井村君江著「アーサー王ロマンス」では、後世のアーサー王伝説の種本となった「ブリテン王列伝」(1136年、ジェフリー・オヴ・モンマス著)と、アーサー王伝説の集大成とも言うべき「アーサー王の死」(15世紀、トマス・マロリー著)を中心にして、諸文献から総合したアーサー王伝説の概略を記している。
著者によると「ブリテン王列伝」から「アーサー王の死」に至るまでのあいだに、ノルマン人詩人ワースの翻訳版「ブリュ物語」が円卓の騎士を、クレティアン・ド・トロワが騎士の冒険譚やランスロットとグウィネヴィアの恋物語、聖杯探求物語などをそれぞれ書き加え、またウェールズの古い物語集「マビノギオン」などが同化して、現在に残るアーサー王伝説の定型が定まったのだそうだ。
アーサー王らしき人物が史実に登場するのは紀元500年頃と言われ、一説によればサクソン人のブリテン島襲撃を撃退した諸王連合軍を率いた武人が、アーサーその人なのだという。
またアーサー王を史的実在として記したものに、700年頃の文献「聖コロンバ伝」や800年頃に編纂された「ブリトン人の歴史」などがあるらしい。
もっとも「ブリトン人の歴史」の時点ですでにアーサー王は伝説化されており、戦いに臨んで「アーサー王の一撃で960人の敵が倒れた」と書かれている。
アーサーの諸王連合軍が勝利を納めたベイドン・ヒルの戦いの後、サクソン人から逃れて大陸に渡った吟遊詩人たちがフランス語に翻訳したアーサー王の物語を伝播させ、それがフランスをはじめイタリア、スペインなどに普及していき、その後1066年にノルマン王ウィリアムがブリテン島を征服しノルマンディー朝が拓かれると、ふたたびアーサー王伝説はブリテン島に還流し、「ブリテン王列伝」以下の文脈に接続される。
15世紀の「アーサー王の死」の頃になると、伝説の源流にあるケルトの妖精信仰にキリスト教の影響が交じり合い、実に彩色豊かな物語が生成された。
本書「アーサー王ロマンス」では、魔法使いマーリンに導かれたアーサーがイングランドを統一するまでの一代英傑譚と、ランスロットをはじめとする円卓の騎士の個別の冒険物語、世代交代した騎士たちによる聖杯探求の旅、そしてモードレッド卿の反乱から第一の騎士ランスロットとアーサーの戦いを経てアーサーの死までを描く王国滅亡記の四部構成で、アーサー王の伝説が紹介されている。
このうちの特に聖杯探求物語では文字通りキリスト教の思想が色濃く残されており、中世ヨーロッパにおけるシュルバリー(騎士道)の範典とされていったようだ。
また、アーサーに勝るとも劣らない英雄ランスロットに関する伝承は大変おもしろく、本書を読むかぎりではアーサー王伝説ではなく「アーサー王とランスロット卿伝説」と言い換えてもいいくらいの扱いを受けている。
ケルト的なアーサーの人物像と、キリスト教的な人物造形がほどこされたランスロットを対比してみるのもおもしろい作業なのではないだろうか。
史実と物語の両面性を持つアーサー王。
伝説によれば、妖精に愛された彼は、最後の戦いに倒れたあと3人の貴婦人によって異界アヴァロンに連れていかれ、そこで生き続けており、イングランドに危機が訪れると再度復活して民を救うと信じられてきたそうだ。
なんともロマンチックな話ではないか。
アルビオン
映画(cf.)の題名にもなった、ドーヴァーの白い崖 (White Cliffs of Dover)アルビオン(英語: Albion、ラテン語: Albion、古典ギリシア語: Ἀλβιών)は、最も古くはブリテン島の古名であり、雅名。近世には、イギリス人およびその国家の異名ともなった。また、同名地名を始めとする多くの同名固有名詞の由来ともなっている。
地名のアルビオン
ウィクショナリーに:en:Albionの項目があります。ラテン語: albus 「白い」を語源とする[1]。 ヨーロッパ大陸からこの島に上陸しようとするとき最初に目にするドーヴァー海峡沿岸地域に広がる崖のチョーク層(白亜層、石灰岩地層)[2]の白さに、この地がその名を呼ばれるようになった由来があるとされる。
ヨーロッパ外交史では、17世紀から18世紀にかけての列強が当時の信用ならないイギリスを揶揄をする語として「不実のアルビオン」(フランス語: perfide Albion、英語: Perfidious Albion)という表現を用い始め、近世におけるイギリス人およびその国家の異名となった。
ギリシア神話のアルビオーン
ラテン語地名の Albion から逆成された伝説と考えられる、ギリシア神話の中のアルビオーン(古典ギリシア語: Ἀλβιών、英語: Albion)は、ポセイドーンとアムピトリーテーの一子であり、アルビオーン島に住む巨人の名である。 英雄ヘーラクレースが西に向かう際に、道を塞ごうとしたアルビオーンを倒したと言われる。
ミルトンのアルビオン
イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの叙事詩『ミルトン』(en) では、アルビオン(Albion、世界)が誕生する前の宇宙には「世界の卵」と、それを中心に混ざり合う4つの宇宙があり、それぞれを北の宇宙「アーソナ (Urthona)」、南の宇宙「ユリゼン (Urizen)」、東の宇宙「ルヴァ (Luvah)」、西の宇宙「サーマス (Tharmas)」とした。
その他のアルビオン
上述のほかにも、ブリテン島の古名としてのアルビオンを語源とする固有名詞は世界に多数存在する。 アルビオン (曖昧さ回避)を参照のこと。
赤い竜と白き竜
「竜」はさまざまな神話・伝説に登場するが、アーサー王伝説の中でも、重要な役割を果たしている。
その中の一つ、「赤い竜と白い竜」の物語では、大魔術師マーリン誕生の秘密も語られている。
――五世紀のブリテン。 前王を陥れて自ら王位についた元家老のヴォーティガンは、自分の身を守るため、堅固な砦を造ろうとした。
だが、何度造っても、途中で石が崩れてしまうため、魔術師にどうすればいいか尋ねたところ「父親なしで生まれ子共を生贄にする必要がある」といわれ、それに当てはまる子共を捜して連れてこさせた。
それがマーリン少年だ。けれど、自分が人柱にされると聞いたマーリンは「砦が崩れるのは、地下に二匹の竜がいて戦っているからだ」といった。
そこで地下を掘って見ると、マーリンの言葉通り、赤い竜と白い竜が現れ、また戦いを始めたという。
この戦いにどんな意味があるのかと訊かれたマーリンは途端に泣きはじめ、何かが乗り移ったように予言を語りはじめた――「赤い竜の最期は近い。赤い竜の家は白い竜にのっとられていまうだろう。赤い竜はブリテンの人々で、白い竜はサクソン人だ」。
また赤い竜と白い竜の戦いは、コーンウォールの猪が現れて白い竜を踏み潰すまで治まらない。
とも予言した。 コーンウォールの猪とは、アーサー王を意味するといわれている。
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