事件【辛坊さん遭難会見詳報】声を詰まらせ感謝繰り返す+(5/6ページ)(2013.6.22 12:53

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【辛坊さん遭難会見詳報】
声を詰まらせ感謝繰り返す

2013.6.22 12:53 (5/6ページ)海難事故・水難事故
 太平洋横断中に海上自衛隊に救助され、記者会見で頭を下げる(左から)岩本光弘さんとニュースキャスター辛坊治郎さん=22日午前0時16分、東京都新宿区の吉本興業東京本部

 太平洋横断中に海上自衛隊に救助され、記者会見で頭を下げる(左から)岩本光弘さんとニュースキャスター辛坊治郎さん=22日午前0時16分、東京都新宿区の吉本興業東京本部

 --今の気持ちとして再チャレンジというのは考えているか

 「これだけたくさんの人に迷惑をかけて、口が裂けてももう一回やりたいとはいえないでしょ。いや言えません。もし今度やるとするならば、誰にも連絡せずに全部自己責任、何があっても自分たちで責任を取るという覚悟で、船を出すことはないとはいえない。でも、これだけの方に迷惑をかけるということがわかっていながら、もう一回やるとはいえません。ひろさんはどうですか」

 岩本さん「同じです」

 --ライフラフトで2人はどういう過ごし方をした

 「基本的にずぶぬれで乗ったので、体がどんどん冷えていくのが分かった。もしかして今日中に救助されないと低体温症で危ないと思ったので、『今までこんなに近づいたことはないよね』という距離で体を寄せ合って取りあえず体温を維持した。ただ、幸いなことに私たちが漂流しているのは皆さん知っていたし、どこで漂流しているのかも、おおよそ分かっていたので、『必ず救助されるだろう』という安心感があった」

 岩本さん「互いに励まし合った。皆さんも頑張っているのに『低体温症なんかで死なないように』と互いに体を寄せ合って時間を過ごした。ライフラフトの中に水が入ってきたのでそれをくみ出して。水に浸かっているのと水がないのとでは全然違う。体温を分け合いながら過ごしていた」

 辛坊さん「ライフラフトの中でも言い合ったのですが、私たちは非常に恵まれた漂流者だっというのは間違いないだろうと思う。そこで漂流しているのも誰にも分からない状況の中で、どこにいるのか、いつ発見されるのか、漂流していることすら知ってもらえていない漂流者もいるだろう。私たちはとても幸運だったと思う、そういう意味で。まず使わないだろうと思っていた非常用の持ち出し袋というのが防水袋に入っていて、その中に衛星携帯電話とGPS、現在地が分かるものがあって、それをライフラフトに運ぶことができたので、ライフラフトの中から状況が分かったので精神的にはだいぶ楽だった。なのでライフラフトの中で、そんなに体がどんどん冷えていくこと以外で危機感はなかった」

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太平洋横断中に遭難し、救助されたニュースキャスターの辛坊治郎さん=21日午後、神奈川・厚木基地(鈴木健児撮影)
太平洋横断中に遭難し、救助されたニュースキャスターの辛坊治郎さん(右)と、全盲のセーラー・岩本光弘さん(左)。記者の質問に応じた =21日午後、神奈川・厚木基地(鈴木健児撮影)

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