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事件
【辛坊さん遭難会見詳報】声を詰まらせ感謝繰り返す
岩本さん「3回、下から突き上げるような音がした。ドーン、ドーン、ドーンという同じくらいの大きさの音。私も午前5時までウオッチしていて、その後午前8時くらいまで仮眠させてもらおうと横になっていたところ、そういった音がしたので、『あ、これはちょっと』って。たまに波が(船体に)当たって『壊れるかな』と思うくらいのことがあるが、そのときは1回ゴーンという大きな音で終わる。それが3回も音がしたので、これは普通と違うと思った。水が入ってくる音がしないか着目していたら、チャポチャポって音がしたので、『これはもしかして』と。船内の真ん中の方に行ってみたら水に触ったので、それで『辛坊さん浸水です』って言い、水を出す(排水)ポンプのスイッチをオンにした」
辛坊さん「水を排出するには電動のものと手動のものがあるので、ひろさんにお願いして、手動のポンプで排水してもらったが、流入してくる水の速さと釣り合わなかった。私が気が付いてから数分後には、くるぶしのところまで水があった。脱出するときには、ひろさんの記憶だと水が膝下くらいまで。恐らく数分間で数十センチの水位が上がってくるという状況で、あと10分もたたないうちに沈没するだろうと、すぐに計算できたから逃げるしかないと思った。幸いなことにちょうど脱出しやすい場所にライフラフト(救命いかだ)があったので、ひろさんに先に出てもらって私も追いかけた。そのときがエオラス(ヨットの名称)を見た最後の瞬間になった。恐らく10~20分もたたずに沈没したと思う。何かできなかったかとはもちろん思う。『もうちょっとしっかりウオッチしていたら防げた』かといわれれば、防げなかったと断言はできないだろうと思う。ドーンと最初に衝撃を受けた段階で、『修理できなかったか』といわれれば、絶対できなかったとは恐らく言えないだろうと思う。ただ、実際問題としてラフトを展開して乗り込むのに、ぎりぎりぐらいの時間だった」
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