あだちとおる
CV:真殿光昭

生年月日:1984年2月1日−水瓶座
身長:176cm
体重:63kg
血液型:A型

公式

八十稲羽署に転属された新米刑事で、堂島遼太郎の部下であり相棒。
表向きの人物像は、「ダメ刑事」の一言で説明が完了してしまうほどのヘタレ。
事件の捜査中一般人に極秘情報を漏らしたり、巽完二に睨まれてビビって仕事をサボったりと、そのヘタレぶりは枚挙に暇が無い。
クマからは「ズッコケデカ」と言われ、ただでさえ警察嫌いの完二からは病院で散々な扱いを受ける。

常日頃から寝ぐせや曲がったネクタイを気にする様子もない為、服装や身だしなみに関してはあまり頓着がない模様。

しかし、その実は稲羽市で起きた猟奇殺人事件の真犯人である人物。
テレビの中の世界で、自称特別捜査隊一同と相対した際に顕れた「ヘタレ」の仮面の裏に隠された足立の本性は、自己中心的で傲慢そのもの。

会ったこともない山野真由美に「目をかけてやってたのに」と職務権限を利用して接近したり、大した理由もなく(生田目が小西に忠告していたのを「生田目に言い寄られている」と勘違いして)小西早紀をテレビの中に入れたりと、一方通行的な思い込みを伴ったまま他者を無根拠に見下す傾向がある。
特に小西早紀の一件は、弟・小西尚紀花村陽介にとって深い傷となってしまう。

警察に入った理由も「合法で本物の銃を持てるから」というもので、職業意識は極めて薄い。
そんな性格もあってか、能力的には優れたものを持っていたにも関わらず同僚との足の引っ張り合いの果てに中央から稲羽署に左遷に近い形で異動させられる。
稲羽署に飛ばされ、現実と人生に絶望した時期と並行して「テレビの中に入る力」の存在に気付き、「やれるからやった。それだけ」という理由で犯行を思い付いた彼は、山野真由美・小西早紀・久保美津雄らをテレビの世界に入れ、うち2人を死に至らしめ、事態に気付いた生田目太郎を唆す。

生田目に「テレビの中の世界に人を入れる役目」を与えた後は、悪化する事態を傍観していたが、現実とテレビの中の世界を行き来して犠牲者を最小限に留めてきた特別捜査隊の行動に業を煮やしたのか、物語終盤では主人公の自宅に脅迫状を送りつける等の妨害行動に打って出る。
しかし、足立の思惑をトレースし実行していた生田目が捕えられたことにより逆に追い詰められ、遂には真犯人しか知りえない事実を自ら口にしてしまい、自身の関与が露呈。「テレビの中の世界」に逃げ込まざるを得なくなる。

その際、世界に対して深い絶望感を抱いていた足立は、テレビの中の世界の管理者たるアメノサギリと同調を果たし、中の世界の膨張を促して人類全てがシャドウ化する世界の到来を望んだ。
戦闘に際して、彼もまたペルソナ(マガツイザナギと呼ばれている)を発現させている。しかし、戦闘前の足立の様子から性質はペルソナというよりシャドウに近いものとも見れる。

身勝手な理由で無関係な人間を巻き込み、しかも二人も死に至らしめる結果を招いているにも関わらず、責任を非現実の現象に転嫁し、大部分が無関係な市民を不安に陥れ、さも大義を掲げているかのように嘯く彼の姿勢は、自称特別捜査隊の面々から「だだをこねているガキ」「子供以下の単なる我儘」「くだらない犯罪者」と切り捨てられている。

自分を認めようとしない世界に対して失望し、社会・現実を知らないが故に「青臭い言葉ばかりを並べ立てるやかましいガキ」として自称特別捜査隊の面々も一方的に見下し馬鹿にしてはいたが、堂島遼太郎のことは最後まで悪く言わなかった。
また、主人公が久保美津雄の情報収集している際や堂島菜々子生田目太郎に捕まった際には、自称特別捜査隊に僅かながら協力した。
拘置所からの手紙では「それが楽しいとは思わなかったはずなのに」と堂島家でのやり取りを振り返っているなど、本人も自覚しないうちにこの親子に対しては特別な感情を抱くようになっていたようである。
P4Gで追加された後日談では、拘置所で堂島と面会した際に「堂島のしごきよりも拘置所暮らしが楽」と言って怒らせたエピソードが登場するが、本性を現した後でもいつもどおりのやり取りを行っているあたり、むしろ堂島に対し心を許している証拠なのだろう。

イザナミに力を与えられた3人のうちの1人。「虚無」担当。

PlayStation Vitaにて2012年6月に発売された本作「ペルソナ4」のアッパーバージョン「ペルソナ4 ザ・ゴールデン (以下、P4Gと略)」においては、新規追加された「道化師」コミュ(足立が犯人だと判明した後は「欲望」に変化)の担い手ともなる。
※「道化師」には「ジョーカー」の他に、イタリア古典喜劇における悪賢いトリックスター「ハーレクイン」の意味もあり、色々な意味で彼に相応しい。

彼のコミュニティでは、進学校出身であることや高度な手品をそつなくこなすなど、犯人だと発覚する以前から本性は能力のある人物であることを伺わせるイベントが追加された。
また同コミュによると、警察になったのは上記のように銃を所持できる以外に、公務員志望であったためのようである。

また、足立コミュが一定まで成長している場合に実行できるバッドエンドとして、犯人が彼だと見抜いた上でそれを周囲に明かさず、足立に対して犯人だと気づいているが捕まえる気がないことを話し、彼への証拠隠滅を加担する「共犯者エンド」というものが追加された。

ペルソナ


初期設定

開発当初、足立はまだ真犯人という設定ではなかった(当初は、警察の捜査と主人公らとの仲介役だった)。第一候補は天城雪子だった(「犯人は旅館の女将」というのが元ネタ)。

しかしながら、「仲間に裏切られるのは痛い」「個人的な動機での犯行では、ユーザーの共感が余り得られない」等の理由から、(だがP4Gでは主人公がみんなに犯人を告げるシーンで足立が犯人と分かり、「あの足立さんが…」と主人公が困惑するという描写が追加されている。これを陽介や雪子でやってはあんまりだ、とスタッフは判断した、というわけである)最終的に彼が真犯人に選ばれた。
彼のモデルはファミコンの往年の名作アドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』の主人公ボスの部下、ヤスこと間野康彦。
意外に現在でも知っていた人は少なくなく、ユーザーの中には、足立の顔が公開された時点から、足立=ヤス=真犯人だと見抜いていた人もいた模様。

また、開発当初、足立の下の名前は「保(たもつ)」だったが、ヤスとも読める字なので「透(とおる)」に変更されたとのこと。
「こんちわ、足立保です」というセリフもあったのだが、セリフ収録後にこの変更となったため、タモツの部分はカットとなったという。
発売前にはCVが真殿光昭氏ということで、もしや犯人か重要キャラか?と予測したユーザーもいたとか(スタッフは意図していなかったようだが)。

ともあれ、アトラスの目論見は見事的中し、足立はその身勝手な悪役ぶり等から少なくないファンを得るに至った。

非公式

プレイヤーたちから付けれたあだ名は「キャベツ」。これは7月にジュネスで特売のキャベツを買いすぎて処理に困っていると話すエピソードに由来する。
言い換えればこれだけの理由だが、漫画版のカラーページではジュネスの野菜コーナーでキャベツを真剣に選び、P4Aでは歩きながらキャベツをつまみ正座してキャベツを我が子のように撫でていたり、P4Gの後日談では、堂島が拘置所の足立への差し入れとして「特売のキャベツにしてやる」と冗談めかしく言っており、どうやら公式化したようである。

今作品が推理の要素を持っている為か、アンソロジー等関連本でも、足立が真犯人であることは明記されていない。しかし、彼の余りの悪行三昧が祟ったのか、高い確率で主人公や堂島らにひどい目に遭わされている。高確率で堂島に怒られるオチで〆る漫画が多め。ただし例外として、寺鐘ひびき氏が黒ずくめの「犯人シルエット」の「 ハンニン 」という登場人物を、秋月しょう氏がカラーイラストで暗がりから手を伸ばす金目の足立「らしき」人物を描いている。

また、劇中冒頭で、足立が山野の死体を見て嘔吐するシーンにはユーザーの間でも諸説様々あるが「あれは演技ではない」というのが有力説となっている(足立は被害者をテレビに入れただけで、実際に手を下した訳ではなく、結果として「人が死ぬ」という事態までを想像していなかったから)。

ゲーム版ドラマCDでは、Vol.1と2では一切出番がなかったが(逮捕された後が舞台となっているので当然ではあるのだが)、Vol.3では登場を果たした。これはVol.3のコメンテータリーによると、足立のファン多数から「 なぜ(ドラマCDに足立を)出さないんだ 」という意見が寄せられたためとのことである。
同様にこの意見を踏まえてなのか、アニメ版ドラマCDでは、Vol.2で足立がメインのストーリーが作られた。