憲法と、
岐路に立つ憲法。その60年余を見つめ直します
【国際】中国に金融危機説【北京=新貝憲弘】景気の減速感が強まる中国で、複数の銀行が資金不足に陥っているとのうわさが相次ぐなど金融危機説が広がっている。一方で地下金融などシャドーバンキング(影の銀行)によるバブル崩壊の懸念も高まっており、中国政府は経済の健全化と景気の下支えの間で厳しいかじ取りを迫られている。 中国経済は五月の輸出額が前年同月比1%増でそれまでの10%超増から大幅減となり、英金融大手の景気指標も悪化を示すなど減速感が強まっている。こうした動きを受け、四大国有銀行の中国銀行はじめ複数の銀行では今月に入って資金不足に陥ったとのうわさが流布した。 二十日は銀行間で短期資金を貸し借りする金利指標(上海銀行間取引金利、SHIBOR)の翌日物が過去最高水準の13%超と前日の7%台から跳ね上がり「高利貸市場と化した」(中国紙)。 ただ通貨供給量(M2)は五月末で前年同期比15・8%と「だぶつき気味」。資金不足の背景には、金融機関が正規の方法以外で融資したシャドーバンキング問題がある。 二〇〇八年のリーマン・ショックを受け中国政府が実施した四兆元(約六十四兆円)規模の景気刺激策で、だぶついた資金が地方政府の無計画なインフラ整備や不動産投機に流れたとされ、中国政府は健全な金融システムづくりなど経済構造改革に力を入れている。 中国人民銀行(中央銀行)主管の中国紙「金融時報」は「銀行業は自力で融資問題を解決すべきだ」との論評を掲載。中国政府も十九日の会議で従来の金融引き締め策を維持する姿勢を確認した。 ただ十三兆元(約二百八兆円)規模といわれる理財(財テク)商品の高利回りはシャドーバンキングが支えているのが実態で、今月末には大量の満期を迎え、払い戻し用の資金調達が必要。このため金融緩和など景気刺激策を求める声も強まっており、政府と銀行業界の駆け引きはしばらく続きそうだ。 PR情報
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