<両陛下>平安時代の琵琶楽譜を鑑賞 修復作業完了し
毎日新聞 6月21日(金)19時29分配信
宮内庁書陵部が進めていた平安時代の琵琶の楽譜などの修復作業が完了し、天皇、皇后両陛下が21日、鑑賞した。11世紀に作成され、旧伏見宮家に伝来したもので、当時の美意識を知る上でも極めて貴重な史料という。
修復されたのは、演奏方法などを記した「琵琶譜」25枚と楽譜「琵琶諸調子譜」59枚。濃淡の異なる紫など7、8色の料紙に、金や銀のけい線が引かれ、端正な文字で弦を押さえる指の位置などが記されている。遣唐使が日本に持ち帰った楽譜をもとに、清和天皇の皇子・貞保(さだやす)親王が編さんし、書写されたとみられる。
平成の初めころから修復に着手、料紙と同じ色合いを出すため、梅の枝など皇居内の草木で試行錯誤しながら染色を独自に開発した。両陛下は「音は復元できるのでしょうか」「良い色ができましたね」などと話していた。宮内庁は一般公開も検討する。【大久保和夫】
最終更新:6月21日(金)20時11分