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【サッカー】

ブラジルを体感 W杯へ貴重な経験

2013年6月23日 紙面から

 ブラジル、イタリア相手に連敗を喫し、1次リーグで早々と姿を消した日本代表。強豪国との対戦によって収穫や課題があぶり出されたが、ピッチ外でも都市ごとに異なる気候や予想外の渋滞など不慣れな環境に苦しめられた。空港到着からブラジルを離れるまでのすべてが、来年のワールドカップ(W杯)本大会に向けた貴重なシミュレーションとなった。

 今大会で用意されたホテルは、滞在した都市によってかなり格差があった。ブラジル北東部のレシフェで、日本代表が宿泊したホテルは最上級の5つ星だったにもかかわらず、「部屋にものすごくたくさん、虫がいた」(高橋)。またブラジルでは高級ホテルでもバスタブがないのが一般的で、ベロオリゾンテのホテルにはバスタブがあったものの、ブラジリアとレシフェではシャワーブースのみだった。

 内田は「風呂に入れるのはうれしいね。おれ、風呂が好きだから」と言いつつ、「海外に行ったら(バスタブがないことは)よくあることなのでそんなに気にしてない。海外に来た以上、諦めているんで。日本が良すぎるんですよ」という。W杯では過度の重圧にさらされることを考えれば、宿泊施設は重要な要素なのだが、「クオリティーは望んでない」(内田)というのが正直な感想かもしれない。

 国土が日本の約23倍のブラジルでは都市によって、気候もスタジアムもピッチの状態も大きく異なる。「ここ(ベロオリゾンテ)は涼しいし、前のところ(レシフェ)はちょっとジメジメしていたかな。気候のせいか、スタジアムの芝生も違いがありますね」(内田)。レシフェでは街の中心部に位置した宿泊先からスタジアムまで約30キロ離れていたが、道路が十分に整備されておらず、警察に先導された代表チームのバスまで渋滞に巻き込まれた。

 ブラジル各地では、過去最大の反政府デモの動きが広がっている。代表チームが宿泊するホテルやスタジアムの周辺でも抗議活動があったものの、選手に外出を控えるよう指示するなどの措置は取っていない。1年後、そういったブラジル国内の状況によるチームへの影響も、ゼロとは言えないかもしれない。

 長谷部は「ホテル、グラウンド、治安など、自分が思っていたよりも違った」と指摘。その上で、「来年のW杯を見据えた個人的な感想としては、思っていたよりは環境は良くない。そういう意味では、ブラジルに来られて良かったなと思う」と話した。ブラジルそのものを肌で体感し、本番へのシミュレーションができた点でも、コンフェデ杯に出場した価値は十分にあったはずだ。 (松岡祐司)

 

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