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動物体内でヒトの臓器作り容認へ
6月18日 19時42分

動物体内でヒトの臓器作り容認へ
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京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞を使い、動物の体内でヒトの臓器を作り出す研究を国の専門委員会が認める方針を固めました。
今後、移植用の臓器作りに向けた本格的な研究が進むと注目されています。

研究は、京都大学の山中伸弥教授が開発したヒトのiPS細胞などを特定の臓器になる細胞に変えた後、一定程度成長したブタなど動物の受精卵に入れ、子宮に戻して妊娠、出産させることで、ヒトの臓器をもった動物を作り出すものです。
移植用の臓器づくりなどさまざまな再生医療の実現につながる可能性があると注目を集めています。
生殖医療や生命倫理などの専門家でつくる国の生命倫理専門調査会は、18日開かれた会合で、欧米など海外では、すでに研究が進められており、将来、医療への応用も期待出来るなどとして研究の実施を認める見解の案をまとめました。
一方、動物の体内でヒトの臓器を作る研究は、人の尊厳を傷付けるおそれなど倫理的な問題も指摘されていることから、ヒトに近い霊長類を利用した研究や、動物の体内でヒトの精子や卵子、それに脳の神経細胞などを作る研究などについては一定の制限を設け、個別の研究ごとに認めるかどうか国が判断する態勢が必要だとしています。
専門委員会では、18日示された案を基に来月にも最終的な見解を公表し、ヒトのiPS細胞などを動物に移植することを禁じている現在の指針を見直すよう国に求めることにしています。

「動物の体内に入れ確かめること必要」

生命倫理に詳しい東京財団の※ぬで島次郎研究員は「ヒトの臓器が本当に作れるのかどうか研究を進めるためには、実際に動物の体内に入れて確かめることが必要になる。今回容認される方向が示されたことで移植用の臓器づくりの技術が進むことは間違いない」と話しています。
そのうえで「こうした研究は、生命を操作するという側面が強い。ヒトの精子や卵子、それに脳の神経細胞をつくるとすればどこまで認めるのか、倫理面で厳格に制限し、一般の人の理解も得られるよう明確な歯止めをかけるべきだ」と話しています。
※「ぬで」は「木」へんに「勝」

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