【奥村智司】沖縄戦の犠牲者をまつるため、遺族会など民間団体が建てた沖縄県内の慰霊塔・碑333カ所のうち1割強の38カ所で、管理が困難になっていることが県の調査でわかった。遺族らの高齢化や死去が理由だ。「無縁化」への対策を検討するため、県は5月、遺族会などによる協議会を立ち上げた。
県の調査によると、慰霊塔・碑は計440カ所あり、うち公設は107カ所、遺族会や戦友会、自治会など民間設置が333カ所。管理に問題があったのは39カ所で、民間設置分が38カ所、公設は「状況不明」の1カ所だった。38カ所は「清掃管理不良」「損傷あり」「今後に懸念」などだった。
また、多くの人が犠牲になった糸満市では、市職員有志が2011年6月の「慰霊の日」に献花状況を調べたところ、市内124カ所の慰霊塔・碑のうち約2割の27カ所で献花が確認できなかった。
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朝日新聞社会部