Jリーグで14位に低迷している名古屋グランパスは22日、豊田スタジアムでクラブ初となるサポーター向けの説明会を開き、今後の取り組みについて理解と協力を求めた。来場者からは強化策などに関して怒りや疑問の声が噴出。予定を大幅に超える2時間半の大荒れ説明会となった。
5連敗を受けてのクラブ史上初の説明会は平穏には終わらなかった。質疑応答に入ると、集まった500人から厳しい意見が次々に飛び出した。
「補強はしないと言うが、それで勝てるのか」「J2に落ちたら誰が責任を取るのか」「(5月末から)2週間も練習を休んでよかったのか」
クラブ側を代表してマイクを握ったのは福島義広副社長。飛騨キャンプで内容の濃い練習が積めており、巻き返しが見込めると説明。「まずは(J1残留の目安となる)勝ち点40を早く達成すること」と具体的な目標を出して理解を求めたが、「この場に久米GMがいないのはなぜか」と不満は収まらなかった。
グランパスは当初、この機会を利用して8月10日浦和戦の集客キャンペーンへの協力を要請し、説明会後にサポーターと共同で記者会見する予定だった。サポーター側は「浦和戦より、現状では中断明けの清水戦に全力を注ぐべきだ」と反発し、直前に会見は中止。この点で姿勢の甘さを追及する声も続出した。
説明会は結局、予定の1時間を大幅にオーバーした。福島副社長は「熱い思いを感じた。こちらの思いも伝わったはず。シーズン中に異例ではあるけど、やったかいはあった」と語った。
チームへ注がれる視線はかくも厳しい。今季のホームゲーム一試合平均の観客数は昨季比13%減の1万4900人。低迷が続くようなら、ファン離れに拍車がかかりかねない。 (木村尚公)
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