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文化庁繰り返し説明で勧告覆す6月22日 19時23分
富士山の登録についてユネスコの諮問機関=イコモスは、ことし4月、静岡県にある三保松原を除くことを条件に「世界遺産に登録することがふさわしい」と勧告しましたが、今回の決定はこれと異なるものとなりました。
文化庁は、勧告のあと、三保松原は山岳信仰の対象として重要な地であるにもかかわらず、価値が十分理解されていないとして、改めて、三保松原も含めて世界遺産への登録を目指す方針を決めました。そして、関係する省庁や地元の自治体と共にユネスコや世界遺産委員会のメンバーとなっている国々により詳しい説明を繰り返してきました。
さらに、委員会への参加のため現地入りした文化庁の近藤誠一長官などがぎりぎりまで、直接、委員に働きかけを行った結果、多くの国々の理解を得て、三保松原も含めた登録につながったと考えられます。
世界遺産の登録を巡り、ユネスコの諮問機関=イコモスの勧告と異なる決定が出されたケースは、日本の世界遺産でも過去に1例あります。
平成19年、日本を代表する銀鉱山の遺跡、島根県の『石見銀山遺跡』についてイコモスは「普遍的な価値の証明が不十分」として登録を見送るよう勧告しました。
これに対し、当時の文化庁は反論書を作り、今回と同じように委員会のメンバーの国などに理解を求めた結果、多くの支持を集め、勧告を覆す形で登録が決まりました。
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