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松本清張賞に食堂で働く女性6月21日 21時51分
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エンターテインメント小説を対象にした文学賞、第20回「松本清張賞」に、東京都内の食堂で働く山口恵以子さんの作品「月下上海」が選ばれ、21日、東京で授賞式が開かれました。
「松本清張賞」は日本文学振興会が毎年、公募している文学賞です。20回目のことしは、山口恵以子さんの作品「月下上海」が選ばれ、授賞式で山口さんに賞金500万円の目録などが贈られました。
「月下上海」は、戦時統制下にあった昭和17年の上海を舞台に、スパイ活動に手を染めたヒロインの財閥令嬢と4人の男性を巡って、謀略とロマンスが交錯するストーリーです。
緻密な取材に裏付けられた時代考証や、苦難の中で力強く生き抜くヒロインの心理描写などが高く評価されました。
山口さんは東京都出身の55歳。都内にある新聞を配達する組合の従業員食堂で調理や献立作りを行っていて、働きながら執筆した初めての長編小説が、今回、受賞したということです。
授賞式の中で山口さんは、「清張さんのような大流行作家になるのか、趣味で小説を書く食堂のおばちゃんで終わってしまうのか、神のみぞ知るですが、どんな道を歩んでも書き続けていく私をこの賞が見守ってくれると思います」と語っていました。
山口さんは、今後も食堂での仕事を続けながら作品作りに挑むということです。
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