【大紀元日本6月21日】海外中国語メディア「泛華網(PanChinese)」は17日、北京の内部筋の情報として、メディア王ルパート・マードック氏との離婚が報じられた中国人妻・ウェンディ(中国名・ケ文迪)さんは、人民解放軍総政治部の主要スパイであることを報じた。
同報道はウェンディさんの名前を言明せず、「世界で騒ぎを起こしている、離婚騒動の渦中にいるメディア界の強い女性」は中国の諜報史上でもっとも伝説的な人物になるだろうと断じた。
報道によると、ウェンディさんは中国国内で大学一年生(1986年)の時にすでに解放軍総政治部広州支部の目に留まり、スパイ候補として見定められていたという。米エール大学でMBAを取得した1996年に、本格的にスパイ活動を始め、以来、香港のメディア界への潜伏に成功し、大きな権力を手に握るまでとなった。「電撃離婚が伝えられてから、総政治部内部はかなり揺れている」と報道は同筋の話として伝えた。
同報道はまた、ウェンディさんの経歴の中のいくつかの謎の点に注目した。
謎その1.エール大学MBA課程の高額の学費の払い手は
一部の報道は、その大金を提供したのは、ウェンディさんが一回目の婚姻中に不倫相手だった米国人男性だと伝えている。しかし、「体操学校のマネージャだったこの米国人男性にはその経済能力はないのが明らかだ」と泛華網は指摘し、謎のスポンサーが存在することを示唆した。
謎その2.決して裕福ではない中国の一般家庭に育ったウェンディさんが、インターンシップで香港に渡った際、なぜファーストクラスに乗ったのか
1996年、ウェンディさんは香港行きの飛行機のファーストクラスに乗っていた。その隣の席は、マードック氏が率いるニューズ・コーポレーション社の役員、同社傘下の香港スターTVの最高執行責任者(COO)ブルース・チャーチル氏だった。2人は話が弾み、知り合いになった。
後に彼女は同テレビ局でインターンを経て入社し、管理層唯一の中国人女性幹部になった。この出会いは彼女が香港メディア界、そして、世界のメディア王の妻の座への足がかりとなった。
泛華網は同筋からの情報として、「ファーストクラスに乗ったのも、某香港メディアの上層部の隣に座ったのも、みな解放軍総政治部のスパイのチームワークだった」「すべては中国側の計画通りに運んだ」と明かした。
この内部筋によると、香港返還の直前だった当時、総政治部には香港のメディアをコントロールするという重要任務が命じられていた。欧米企業傘下のメディアにはスパイを潜伏させるのはもっとも有効的だとされていた。飛行機での出会いは、彼女を同テレビ局に送り込むための策だったという。
ウェンディさんとマードック氏との出会いについても、様々な情報が飛び交う。その1つは「ワインこぼし」説である。1997年、香港に訪れていたマードック氏は同社上層部主催のパーティーに出席。招待されなかったウェンディさんは、マードック氏の出席情報を聞きつけパーティーに乗り込んだ。そして「誤ってワインをマードック氏の服にこぼしてしまった」。このアクシデントは、彼女がメディア王に顔を覚えてもらうために故意に仕込んだもので、この事がきっかけで2人は知り合ったと言われている。
それから2年後の1999年、マードック氏は2番目の妻と離婚し、17日後にウェンディさんと再々婚。メディア王の妻となったウェンディさんはいっそう積極的に社交活動を展開し、着実に上流社会の人脈を築いた。
そして2011年に起きた世界が注目する事件で、彼女はスパイではないかとの説が浮上した。
当時、ニューズ・コーポレーション社は盗聴の疑惑が持たれ、同年7月19日、英国議会で関連の公聴会が開かれた。その席で、ある男性が突然立ち上がり、髭剃りクリームを盛った皿をマードック氏の顔にぶつけようとした。それを見たウェンディさんは素早く立ち上がり、男性を右手で平手打ち。わずか数秒間の出来事だが、その腕前は現場のボディーガードも顔負けのものだった。この武勇伝を評価する声も多い中、英誌「The Week」は同21日、「これはスパイの特殊訓練が思わぬ所で現れたのではないか」と指摘した。
カリフォルニア州立大学経済学部のケン・チャップマン教授はかつて、豪州オンライン紙・Crikeyの取材で教え子だったウェンディさんについてこう形容した。「彼女は謎の人物だ。どこまで信じていいのか、いまだによくわからない」
同大学のダニエル・ブレーク教授もウェンディさんのことをよく覚えていた。「彼女はいつも定期的に数日間にわたって所在不明になる」「非常に影響力のある人だ。とても聡明で成績は非常に優秀、それにとても魅力的だった」という。
マードック氏の伝記本の著者であるマイケル・ウルフ氏は最近、マードック氏は数年前、息子に、「ウェンディとの結婚は間違いだ」と話したことがある、と明かした。また、今回の離婚が話題になってから、英BBCの経済記者ロバート・パターソン氏は自身のブログで、ニューズ・コーポレーション社上層部からの有力情報として、この離婚には「仰天な裏がある」と記した。
(翻訳編集・叶子)
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