沖縄が独立するのに「日本の承認はいらない」?

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(更新 2013/6/20 07:00)

日米両政府が「要石」とする沖縄だが、学会側は「戦争を生みだす島、という屈辱的ポジションだ」と言い、独立で全ての基地撤去を目指す(撮影/写真部・山本正樹)

日米両政府が「要石」とする沖縄だが、学会側は「戦争を生みだす島、という屈辱的ポジションだ」と言い、独立で全ての基地撤去を目指す(撮影/写真部・山本正樹)

 沖縄で赤といえば、米軍新型輸送機オスプレイの配備に反対の意思を示す色でもある。 沖縄国際大学経済学部准教授の友知(ともち)政樹(40)は、昨年9月の「ノーオスプレイ沖縄県民大会」後も、意識してこのシンボルカラーを着続ける。

 県内の高校を卒業後、東京の大学を経て米カリフォルニアの大学院へ。米本国では行われていない米軍機の低空飛行が沖縄では行われる現実を知り、「沖縄はバカにされている」と思った。2007年に沖縄に戻ると、思いやり予算や基地外基地の研究を通じ、日米両政府への怒りはさらに増した。

「日本全体の0.6%しかない沖縄に74%の米軍基地が押しつけられ、地元が反対しているにもかかわらずオスプレイが強行配備される。明らかに植民地支配。もともと独自の民族だった琉球人として、自分たちの未来は自分たちで決めたい」

 今年5月、思いを共有する大学教授や大学院生ら5人で「琉球民族独立総合研究学会」を立ちあげた。「独立して全ての軍事基地を撤去し、平和と希望の島を自らの手でつくりあげる」と設立趣意書に明記。学会員は「琉球の島々に民族的ルーツを持つ琉球民族」に限った。

 独立ができるかどうかを議論する場ではなく、独立する前提で研究を進めるという。年に2回、学会大会を開き、独立のプロセスや独立後の経済政策や政治のあり方、琉球諸語の復興などを研究し、広く国際社会に訴えるとともに人材も育成する。

 独立なんて大げさな、と感じる人も多いだろう。だが、「独立は決して非現実的な夢物語ではない」と言うのは学会設立委員の松島泰勝・龍谷大学経済学部教授(50)=石垣市出身。専門は島嶼(とうしょ)経済学で、沖縄と同じように米軍基地のあるグアムや、人口約2万人ながら共和国として独立したパラオで長期間研究した。

「独立に必要なのは住民の意志と国際社会の承認だけで、日本の承認はいりません。琉球内に独立を求める声が強まり、県議会などで意志を示せれば、国連の支援を得て住民投票を実施し、独立宣言。各国から国家承認をもらえばいいんです」

 と具体的な道筋も描く。(文中、一部敬称略)

AERA 2013年6月24日号


    

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