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石巻・門脇小校舎の現地保存 町内会が反対
 | 現在はシートで覆われている門脇小校舎 |
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東日本大震災で被災し災害遺構の候補に挙がっている宮城県石巻市門脇小の校舎をめぐり、周辺の町内会長が現地保存に反対の意向を市側に伝えていたことが21日、分かった。市は地権者アンケートの結果なども踏まえ、慎重に検討している。 門脇小の周辺地域について市は、新たに整備される高盛り土道路より内陸側の約24ヘクタールで土地区画整理事業を計画。住民組織「門脇町復興街づくり協議会」のメンバーと今月11日に意見交換した際、地元町内会長の共通意見として「居住環境の整備を最優先に、校舎の現地保存には反対する」と伝えられたという。 協議会の田代方政会長(66)は「住宅用地に使ってほしい。住民が暮らしたとき、破壊された校舎が見えるのはどうなのか」とした上で「遺構として残したいとの意見もゼロではない」と語った。 市が3月に区画整理事業の地権者453人を対象に実施した調査(回答率78.4%)でも「解体すべきだ」が53.5%と半数を超えた。「保存すべきだ」は27.3%で、「どちらとも言えない」は18.0%だった。 市は今後、区画整理事業の進行状況を見極めながら対応を決める。現地保存、移設、一部保存、解体のケースを想定し、それぞれの概算事業費を算定している。昨年9月に市教委がまとめた門脇小の保護者アンケートでは保存45%、解体36%の結果が出ている。校舎は現在、近隣の高校が校庭を授業で使うため、シートで覆われている。 亀山紘市長は21日の市議会6月定例会で「震災を踏まえ、教訓を残す役割がある。遺構や映像などの方法があるので考えたい」と述べた。
2013年06月22日土曜日
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