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 東京電力福島第1原発事故で福島県から兵庫県内に避難している被災者が、国と東京電力を相手に損害賠償を求める集団訴訟を9月にも神戸地裁に起こすことが分かった。弁護団などによると、原発避難者による集団訴訟は福島、東京、千葉、札幌の4地裁に起こされ、9月までに13都道府県に広がる見通し。原告となる兵庫の避難者は「電力会社は原発の再稼働に向けて動きだしているが、私たちは生活再建のめどすら立っていない。国と東電の責任を明らかにしたい」と話す。

 提訴を予定しているのは、福島第1原発から20キロ圏内の福島県楢葉町から三木市に避難している阿部衛(えい)一(いち)さん(58)ら神戸、西宮、三木市に避難する9世帯約20人。今後、福島県から兵庫県に避難している被災者に呼び掛け、40人規模の集団訴訟を目指す。

 請求内容は、放射能に古里や人のつながりを奪われた精神的苦痛への慰謝料、放射能に汚染された自宅や土地など不動産の賠償など。1人当たり1千万~1500万円を想定している。

 兵庫県内で避難者の法律相談を受けていた弁護士グループが「兵庫県原発被災者支援弁護団」(31人、古殿宣(のぶ)敬(たか)弁護団長)を結成。全国の弁護団と連携し訴訟を進める。

 東電への賠償請求は、直接請求▽政府の原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に和解仲介を申し立て▽裁判‐の3通りある。だが、賠償額の少ない20キロ圏外の避難者を中心に東電との交渉に行き詰まるケースが増えており、兵庫弁護団事務局次長の曽我智史弁護士は「最終手段として提訴に追い込まれる避難者が増えている。訴訟を通じ、避難者の権利を守る支援法制を確立したい」と話す。

(木村信行)

【原発避難者の集団訴訟】 福島県の避難者40人が2012年12月、放射能による被害回復などを求め、福島地裁いわき支部に初の集団提訴。今年3月11日には東京、千葉の避難者ら計1650人が3地裁に、21日には43人が札幌地裁に提訴した。9月までに新潟、山形、愛知、大阪、京都、群馬、岡山、広島の各府県の地裁でも予定され、原告は数千人規模になる見通し。

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