◇…スポーツ報知の購読申し込みは、フリーダイヤル 0120-16-4341(イロ ヨミヨイ) まで…◇
◇…過去の記事は、ご使用のプロバイダのデータベース・サービスをご利用ください。…◇
小型ヨットで太平洋横断中のニュースキャスター・辛坊治郎さん(57)と全盲セーラーの岩本光弘さん(46)が21日午前、宮城県・金華山の南東約1200キロで遭難した。浸水トラブルでヨットを放棄。救命ボートに乗り移った2人はこの日夕、海上自衛隊の救難飛行艇に救助された。冒険が無念のリタイアとなった辛坊さんは、目を潤ませながら命の危険が迫った状況を振り返った。ヨットは16日に福島県いわき市の小名浜港を出発、米サンディエゴを目指していた。
太平洋上で荒波にもまれ漂う救命ボートの中で、体温低下を防ぐために寄り添っていた辛坊さんと岩本さんの耳に、救助に駆けつけた自衛隊員の「大丈夫ですか」という声が聞こえた。「あ、帰れる。この国の国民でよかったなと本当にそう思いました」と、辛坊さんが涙ぐみながら救助の瞬間を振り返った。辛坊さんと岩本さんは、海上自衛隊の救難飛行艇に救助された後、移動した神奈川県の海自厚木基地で報道陣の取材に応じ、都内に移動。22日午前0時過ぎに改めて会見した。
辛坊さんによると、レーダーで24マイル(38・4キロ)以内に船など障害物がないことを確認して睡眠を取っていた時、小型ヨット「エオラス号」(全長約13メートル、幅約3メートル、総トン数約6トン)に事故が起きた。岩本さんは「ゴンゴンゴンと3回、底から突き上げる感じで右舷が高くなった」と何らかの物体と衝突したような印象を説明。辛坊さんは「もしかしたらクジラだったかも。分からない」と振り返った。岩本さんは船内への浸水を確認し、辛坊さんに向かって叫んだ。排水ポンプを使用したが「とても追いつかない。あっという間にくるぶしまで(浸水した)。10分たたずに沈没するところだった」(辛坊さん)という危機的状況だった。
辛坊さんが衛星携帯電話を使って事務局「プロジェクトD2製作委員会」に緊急連絡したのは午前7時35分。水と食料を積んだ救命ボートに移乗して救助を待ったが、午後2時頃に現場に到着した海自救難飛行艇は、約1時間上空にとどまったが悪天候で着水できず、燃料切れで引き返した。
この時は「降りられない海峡だし、助かるとは思わないようにしよう、と。正直あきらめた」と辛坊さん。「お互いの体温がどんどん下がっていくのが分かった」と目を潤ませながら振り返り「明日まで持つかどうか不安だった」と命の危険を感じていた。「レスキュー隊の方も『こんな海で救助活動をしたことがない』と。たった2人の命を救うために…」
救難飛行艇内で簡単な手当てを受け、医療機関での治療は必要ないという。辛坊さんは「救助にたくさんの人手や税金を使うことになり、反省しなければいけないことは、きりがないぐらいある。(再挑戦は)口が裂けても言えない」と謝罪し「岩本さんを無事に家族の元に帰せてよかった」と声を震わせた。
(2013年6月22日06時02分 スポーツ報知)
国内最大規模の携帯ニュースサイト。スポーツニュース速報のほか、旬の社会、芸能ニュースも満載。月額84円(税込)
巨人軍公式サイト。待ち受け画像や注目の選手情報など、シーズンオフも必見。「NEWS読売・報知」の全コンテンツも利用できて月額210円(税込)!
翌日朝掲載の釣果情報を当日夜に配信。厳選した指定船宿と協力店からの正確な情報や、船宿の自慢料理・仕掛けなど、実用的なメニューもご用意。月額210円(税込)
携帯初の競輪予想情報。グランプリやダービーはもちろん、関東・南関東を中心に各レースを徹底予測。月額210円(税込)