飯舘で太陽光発電 出力1万キロワット 28年4月稼働
東京電力福島第一原発事故で全村避難した福島県飯舘村は、居住制限区域の村内飯樋行政区で出力10メガワット(1万キロワット)の大規模太陽光発電事業に乗り出す。21日に開かれた村の6月定例議会本会議で太陽光発電関連の予算4千万円を含む約12億5千万円を増額する一般会計補正予算案を可決した。
東光電気工事(本社・東京)が今回の発電事業のために今年2月に設立した「いいたてまでいな太陽光発電会社」に村が4千万円、東光電気工事が5千万円を出資する。村有地の牧草地14ヘクタールに約5万枚の太陽光パネルを敷設し、平成28年4月に稼働する。
電力を20年間にわたり東北電力に売電する。買い取り価格は1キロワット当たり42円(税込み)となり、村が得る配当金と借地料金などの収益金は村の復興施策の財源とする。太陽光パネルを保守点検する従業員を村民から5人程度雇用する。
年間約1200万キロワットの発電量があり、一般家庭約3千軒分の年間使用電力量に相当するといい、村内の約1700世帯を大幅に上回る発電能力となる。
菅野典雄村長と太陽光発電会社の青木宏明社長=東光電気工事常務=は21日、福島市飯野町の村出張所で会見した。菅野村長は「村の再生に太陽光発電を役立てたい」と意欲を語った。
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