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  EXP×1000 作者:avu
大臣来る
「素晴らしい!!」
歓声が鳴り止まぬ中、国王が手放しに私を褒め讃えた。

「娘のエレンはお前にやろう。
これで我が国も安泰だ」

「ありがとうございます。
きっとエレン姫を幸せにしてみせます」
頭を下げながら、私はあふれる笑みを押さえきれないでいた。

だって、これからは飲んで食って寝る生活が待っているのだから。

父さんも同様に笑いを堪えきれないでいた。
長年の憧れを今掴んだのだ、
多少下品な笑い方ではあるが、今日くらいいいだろう。


拍手に包まれ、私達家族は広間を出ようとした。

が、男が一人出口に立ち塞がる。


「待て。
この縁談、意義あり!!」

男が叫ぶと騎士たちは驚き、騒ぐのをやめた。

「どうした。なぜ反対する、大臣よ」国王が聞いた。

どうやら立ち塞がった男は大臣のようだ。

男は私達家族の横を通りすぎ、国王のもとへ向かった。

「エレン姫は、私の息子ダビド・キャップマンにこそ相応しい!!

こんな平民ごときにエレン姫をやるのはあまりに悲劇。

国王様、どうかもう一度よくお考え下さい!!」

「そう言われてものぉ、あの剣捌きを見なかったのか?
あれほどの腕なら娘をあげても惜しくはない」

「ただの素振りです。
そこら辺の大道芸人でも同じことができますよ」

「俺の息子を大道芸人なんかと一緒にするな。
サイの一振りは山を割る!!」
父さんが怒りを込めて反論した。

嘘が混じっているが、なんだか悪い気はしない。

「山を割る!?
これも怪しいものですね、
少なくとも私は割れた山を見たことがない」
大臣が嫌味ったらしく言う。

この一言に周りも冷静になり、
確かに
山は割れないだろ
嘘なのか

ところどころで小声が聞こえ出した。

「嘘だと思うなら今から山を割りに行こうじゃないか!!」
今度はライ兄さんが反論した。



バカヤロー挑発に乗るんじゃないよ。
山なんて割れるか。

「ほう、おもしろい。
しかし、山だって大切な資源だ。

国王様、一つ提案があります」

「なんだ?」

「この者たちを【秘宝の眠る海岸】に行かせましょう」

「あそこはAクラスのダンジョンじゃぞ!?
こんな若者たちには厳しすぎる!!」

「彼は山を割るのですよ。
Aクラスくらい目をつぶったってクリアできる」

「…そうかもしれんのぉ、
ターゲットは岩竜の目か?」

「そうです」

「わかった。それでいい」

何やら話はまとまったようだ。


「平民の!!
オルレリック家諸君。

素振りごときでこの私の目はごまかされない!!

サイ、エレン姫と結婚したければ【秘宝の眠る海岸】にある宝をとって来い」

「宝とは」

「【秘宝の眠る海岸】に生息する岩竜。
その目は青く輝き、この世で最も美しい青色と言われるほどだ。

岩竜を狩り、その目を持って来い。そしたらもう何も言うことはない」

「そんなAクラスなんて」
Fだってクリアしたことないのに。

「待ってくれ。この子達はまだCランクのハンター、サイに至ってはダンジョンを一度しか経験したことがない」

「あれほどの剣捌きをするなら問題ないですよ」
そう言って大臣は笑いながら奥へ消えた。


「どうする。
私はもう引退した身だ。
お前たち三人だけでは無理だ」
父さんが珍しくネガティブだ。

それも仕方がない。

ランクを一つ上げるのには10年の修行が必要と言われている。

いくら才能ある兄さん達でも、実力が違いすぎる。


「無理だとは決まっていない!!」
そのときだ。
騎士の間を縫って、一人の男が前に出た。


「俺の名は、ガリク・エヴァンス。一度Bランクのダンジョンに行ったことがある。
多少は力になるだろう」

「エヴァンス…」
父さんには聞き覚えがあるようだ。

「父があなたを気に入ってた。
困ったときは力になるようにと言われている」

「そうか、あの門番の息子か。
でも、AとBでは差がありすぎる」
父さんはエヴァンスさんに礼を言うと、またうつむいた。







「…おもしろそうだな」
沈黙を破り、口を開いたのはフイ兄さんだ。

これが才能の違いというものなのだろうか、それともただのバカなのだろうか、
フイ兄さんもライ兄さんも顔は曇っていない。

「ガリク、スキルは何を持っている」フイ兄さんが聞いた。

「[鉄壁]、俺が持つ盾は100倍強化される」


「よしっ、これから【秘宝の眠る海岸】へ行く。
俺の[千里眼]で岩竜以外のモンスターとの接触を避ける!!」
「おれは盾で岩竜からの攻撃を防ぐ!!」
「そして俺が[毒針]で体力を削る!!」
とどめは私が刺す!!

なんてことは口が裂けても言えない。





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