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【長野】

ポイント制度で木材業界活況に期待

住宅用の国産ヒノキ材を運ぶ作業員。木材利用ポイント制度で需要は増えるか=長野市で

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 木材の利用に応じて商品券などに交換できるポイントをもらえ、地元産の木材需要を喚起する国の事業「木材利用ポイント」の申請受け付けが七月一日、全国一斉に始まる。県内の木材業界関係者は制度を契機に業界の活性化を期待し、受付開始に向け意気込んでいる。

 スギやヒノキなど国産材が所狭しと並ぶ倉庫。作業員が重機でヒノキやカラマツを運び出し、木材を搬入する製材業者のトラックの出入りも頻繁だ。

 長野市の住宅資材卸売会社では、制度の開始決定以降、取引業者からの問い合わせが相次ぎ、説明会を開いた。一般向けの展示会も開催し、来場者への周知に努めている。アベノミクスの影響で業績が好転しつつある同社にとり、制度はさらなる追い風になりそう。担当者は「地元産材の利用が増え、業界全体が活性化すれば」と期待を寄せる。

 ポイント制度の県内事務局「信州木材利用ポイント推進協議会」(長野市)も、四月の発足以降、会員企業向けの説明会を開き準備を進めてきた。

 制度の適用を受けるのに必要な事前登録を済ませた工務店は九百八十四店に上る。「県内にある全工務店の八割近くはカバーした」(協議会)という。

 協議会関係者は「需要が増えたとき、対応する木材を十分に供給できるか」と課題も指摘し、七月以降の申請状況を注視する構え。協議会事務局長で、県木材協同組合連合会(長野市)の徳原敏昭専務理事は「県内に多くポイントを落とし、業界全体の振興につなげたい」と話した。

 県が二〇〇九〜一一年度に実施した調査によると、県内の新築木造住宅に使った木材の量(三カ年平均)は一戸当たり二三・六立方メートルで、うち県産材の使用量は四・八立方メートルと約二割にとどまった。

(市川泰之)

 <木材利用ポイント>木造住宅の新築や木を使った内外装のリフォームなどを対象に、一定の条件を満たすと、商品券や食品、旅行商品などと交換できるポイントを付与する。ポイント制度の対象となる施工業者から発注し、本年度中に着工する必要がある。

 新築木造住宅の場合、延べ床面積に応じた使用量などを満たすと1棟あたり最大60万ポイント(1ポイントは1円相当)がもらえる。外国産材は対象外で、合法的に伐採したと証明された「合法木材」や産地が認証された材を使うのが条件。

 申請は完工後、県木材協同組合連合会の県内支部など17カ所を通じて申し込む。受け付けは先着順で、国の予算410億円がなくなり次第終了する。

 

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