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【北陸発】

志賀原発 北電が安全強化9項目 新基準対応 ベント工事着手

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 北陸電力(富山市)は十七日、停止中の志賀原発1、2号機(石川県志賀町)へのフィルター付きベント(排気)装置の設置など安全性向上の対策工事九項目を発表した。ベント装置は二〇一五年度の完成を目指す。

 ベント装置など一部工事を同日に着手した。

 北電は福島第一原発事故を受け、これまで防潮堤の建設など緊急性が必要なものを含め安全対策工事を実施。原子力規制委員会がまとめた原発の新しい規制基準が七月に施行されるのに合わせ、安全対策をさらに強化する方針を示していた。

 ベントは緊急時に原子炉格納容器の蒸気を排出して圧力を下げる装置で、新基準では福島第一原発と同型の沸騰水型への設置が義務化される。志賀原発1号機は沸騰水型、2号機は改良型沸騰水型。北電は「仕様の決定に少し時間がかかる」として、完成時期の前倒しは考えていないという。

 原子炉関係では、圧力容器内の圧力を下げるため蒸気を逃す安全弁を確実に動かす装置や、冷却用の注水機能強化のためのポンプや配管を追加する。

 このほか、使用済み燃料貯蔵プールでは、底まで水位を正確に把握できる計測器や監視カメラを新設したり、消防車などからプールへの注水用配管を追加したりする。

 北電の担当者は「九項目のほかにも対策工事を検討している」と話している。今後の対策を含めて一連の工事費用は現時点で六百億円超を見込んでいる。 (坂本正範)

 

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