[月刊チャージャー]

まずは疑って係!
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【調査】まずは疑って係!/やってる人に聞いてみました 「セックスボランティア」って必要なのか?
 
河合香織さんにも聞いてみました
『セックスボランティア』(新潮文庫)の文庫版あとがきでは、2004年に発刊された単行本で取材した人たちの「その後」も紹介されている
『セックスボランティア』(新潮文庫)の文庫版あとがきでは、2004年に発刊された単行本で取材した人たちの「その後」も紹介されている
2004年に発刊された河合香織さんの著書『セックスボランティア』は、障害者の性の問題に社会が注目する大きなきっかけだった。2006年には文庫版が発行されて、昨年10月までに十五版を重ねるロングセラーになっている。この本が世に出て以降、著者である河合さんのもとにはさまざまな感想や意見が寄せられているという。

●『セックスボランティア』にはどんな反響はありましたか?

とくに多かったのは『障害者にも性欲があることを初めて知った』という感想です。また、いまだに成人の障害者が個室でマスターベーションすることが『問題行動』とされている施設の方にもお話を伺いました。性的介助によって性交渉をもっていた障害者同士のご夫婦が、介助者が性に理解のない人に替わってセックスできなくなったというように、切実な現実を訴えるものもありました。

●『セックスボランティア』という言葉には無償というイメージもありますが?

ボランティアには有償ボランティアもありますし、有償無償については今の時点ではさほど重要だとは思っていません。本書で取り上げている事例も、マスターベーションの介助から、障害者を対象にした風俗店、オランダにおいて自治体が助成金を出す障害者の性行為など、幅広い性の有り様を扱っています。

障害者に性欲が存在することさえ知らなかったという方もいまだに多いのですが、その人たちは偏見を決して持ちたいわけではないと思うのです。世の中の差別や偏見には「知らないからそう言ってしまう」というケースが少なくありません。できるだけ多くの方に知ってもらうことが第一歩だと思いました。


●障害者の「性」について、今、どのように思われますか?

私は『セックスボランティア』で障害者の性と介助について書きました。しかし、性は人間の本質に関わる問題です。本のあとがきにも書きましたが、話を聞いていくうちに障害者か健常者かといった境界は溶け出していき、私自身もまた自分自身の性や生き方を問われていたように感じています。障害の有無に関わらず、性は千差万別です。差違は埋めるべきものではなく、想像力を働かせて認め合うべきものだということを、本を読んでくださった方に感じとっていただけると嬉しいです。
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