女性車両:設置求め女子高生が署名活動 横浜・JR根岸線

2013年06月01日

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沿線女子校が女性専用車の設置を求めているJR根岸線=JR石川町駅で、宇多川はるか撮影

 生徒の通学中の痴漢被害防止に向け、横浜市中区山手町にある中高一貫の女子校4校が共同で、JR根岸線の横浜から大船までの下り電車に、女性専用車の設置を求める署名活動を進めている。被害で震えが止まらなかったり通学できなくなったりする深刻な事態が相次ぎ、生徒の発案で始まった。既に1万人以上の署名が集まり、近くJR東日本横浜支社に提出する。

 4校は横浜女学院、横浜共立学園、横浜雙葉(ふたば)学園、フェリス女学院。署名活動は、横浜女学院の生徒会が最初に計画した。

 横浜女学院によると、電車内の痴漢被害は報告を受けたものだけで毎年10件以上ある。防衛策として▽ドア付近は逃げ場がないので立たない▽混み合う先頭車両には乗らない−−などを生徒に伝えているが、スカートを切られるといった悪質なものも含め被害が無くならないという。

 JR京浜東北線・根岸線は2010年、平日朝の通勤・通学時間帯に大船から品川までの上り電車に女性専用車が導入された。しかし、乗り換え客の多い横浜から、4校最寄り駅の石川町に向かう電車には専用車がない。

 「悪質な行為を減らすには女性専用車が必要」として横浜女学院の生徒会は昨年12月、署名活動を学校側に提案。井手雅彦校長が4月、同様の被害に悩む周辺3校にも呼びかけ、保護者やその知人、近隣住民らから署名を集めてきた。

 横浜女学院の平間宏一教頭は「被害生徒が抱える心の傷は大きく、男性不信になる可能性もある。できるだけ環境を改善してあげたい」と話す。一方、JR横浜支社の広報担当者は「女性専用車は東京都内に乗り入れて混雑する区間で設定している」と説明。横浜から大船までの導入は「署名を受け取ったら関係する各部署で検討する」と話している。【宇多川はるか】

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