救済基金の直接資本注入、最大600億ユーロで合意-欧州財務相
6月21日(ブルームバーグ):ユーロ圏の財務相らは経済改革の処方箋に責任を持って取り組むことを再確認し、世界市場の混乱がユーロ圏に新たな動揺を引き起こすのではないかという懸念を退けた。
財務相らは20日にルクセンブルクで会合を開催した。ドイツを中心とする北部欧州諸国が危機対応コストの抑制を目指す中で、ギリシャに公務員削減目標の達成を要求し、キプロスの支援条件を緩和する可能性も否定。資金繰りに行き詰った銀行への将来の支援にも厳しい条件を求めた。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は会合後に記者団に対し、「われわれが7月にギリシャ審査で最終合意に達するという前提」について、ギリシャが直面する問題はないと発言。ギリシャの「プログラムへの資金提供は少なくとももう1年完全に保証される」と語った。
財務相らはユーロ圏の恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)による銀行の直接支援も討議。債権者と各国政府が銀行破綻に最初に対応し、ESMの関与後も政府に少なくとも20%のコスト負担を求める案が検討された。
ユーログループは、5000億ユーロ(約64兆3600億円)規模のESMから欧州の問題行に600億ユーロまで直接資本注入できると発表。直接支援が行われるのは、欧州中央銀行(ECB)の下で欧州の銀行監督が一元化される来年後半以降になる見通し。
原題:Euro Chiefs Recommit to Crisis Strategy as Global MarketsPlunge(抜粋)
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更新日時: 2013/06/21 12:27 JST