辻が首位発進　寺で生まれ育った期待の新星

　▽２１日、千葉県・袖ケ浦ＣＣ新袖Ｃ（６５８４ヤード、パー７２）▽曇り、気温２２・１度、風速０・８メートル▽賞金総額８０００万円、優勝１４４０万円▽１０８選手（うちアマ２人）▽観衆１６４０人

　昨年末の最終予選会を１９位で通過、今季プロデビューのルーキー・辻梨恵（１９）＝大和地所＝が６バーディー、１ボギーの６７で回り、金田久美子（２３）＝ミュゼプラチナム＝とともに５アンダーで首位発進を決めた。神奈川県南足柄市の寺で生まれ育った期待の新星。キュートな梨恵スマイルに人気も急上昇中だ。２週連続Ｖを狙う森田理香子（２３）＝リコー＝は２オーバー５３位と出遅れた。

　知る人ぞ知るビジュアル系ルーキー。プロデビュー戦だった今季開幕戦から水面下でファン急増中の辻が、初めての首位に立った。

　「今日はコースマネジメントもうまくできて、いっぱいバーディーが取れました」

　スタート１０番パー５でバンカー越えの第３打をピンハイ２メートルに止めてバーディー発進。１６番で１つボギーをたたいたが、１８番から１、２、３番と４連続バーディー奪取。７番パー５で６つ目を決めた。

　前日までショットの調子が良くなく、この日朝に急きょコーチを呼び修正して臨んだという中で、見事なスコア。「ツアー生活も４カ月目。自分が緊張してるのも自覚できるようになったし、それでミスも防げるようになった」と話した。

　父・宗広さん（４８）は神奈川県南足柄市にある長福寺の住職。辻は幼いころから茶道をたしなみ、座禅や般若心経にもいそしんできた。境内を掃除しながら竹ぼうきで素振りしたことも、平均２４０ヤード超級の飛距離や体幹の強さにつながっている。

　３週前のリゾートトラストレディスでは「憧れの」佐伯三貴と初めて練習ラウンドをともにした。「これだけのショット打ってて、なんでそんな位置ウロウロしてるの？　３０位以内の成績を残すまでは、次の練習ラウンドはしないからね」と叱咤（しった）激励も受けた。

　プロテストには受かっていないが、最終予選会１９位通過の実力は本物。いきなり優勝したっておかしくはない。　（月橋文美）