Updated: Tokyo  2013/06/22 08:29  |  New York  2013/06/21 19:29  |  London  2013/06/22 00:29
 

6月21日の米国マーケットサマリー:10年債利回りが一時2.5%台

Share Google チェック

  6月21日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3125   1.3220
ドル/円             97.72    97.28
ユーロ/円          128.26   128.61


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       14,799.48     +41.16     +.3%
S&P500種           1,592.43      +4.24     +.3%
ナスダック総合指数    3,357.25      -7.39     -.2%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .36%        +.04
米国債10年物     2.53%       +.12
米国債30年物     3.58%       +.07


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,292.00    +5.80     +.45%
原油先物         (ドル/バレル)   93.89     -1.25    -1.31%

◎NY外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨に対して3日続伸となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が景気改善次第では緩和策を縮小するとの考えを示したことを背景にドル買いが進行、新興国市場の資産や商品相場が下落している。

ドルは対円で週間ベースでは2カ月ぶりの大幅高。エコノミスト調査によると、来週発表される米住宅価格指数や耐久財受注額は伸びが予想されている。

UBSのシニア為替ストラテジスト、ジェフリー・ユー氏は電話インタビューで、「基本的にはまだ、連邦公開市場委員会(FOMC)を受けてのドル高の流れだ」と指摘。「徐々に消化されている段階だ。それが安定した形で起こっているのは好ましい。リスク選好に伴うドル上昇は、市場が望むところだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時29分現在、ドルは対円で前日比0.5%高の1ドル=97円75銭。週間では3.6%高。ドルは対ユーロで0.6%高の1ユーロ=1.3142ドルと、6日以来の高値水準。円は対ユーロで0.1%高の1ユーロ=128円43銭。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。大幅安からの反動で買いが戻った。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が段階的な緩和策縮小を示唆したことで、S&P500種株価指数は前日、2011年11月以降で最大の下げとなった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.3%高の1592.43。ダウ工業株30種 平均は41.08ドル(0.3%)上げて14799.40ドル。

ビリニー・アソシエーツのラズロー・ビリニー社長は前日までの下落について、「予期せぬニュースに反応した正常な調整に過ぎない」とした上で、「強気相場は続いていると私はなお考えている」と続けた。

S&P500種は前日2.5%下落。米金融当局が刺激策の段階的縮小を示唆したことに反応し、世界的に株価が下落した。量的緩和の縮小懸念を背景に、S&P500種は5月21日に付けた高値から4.6%下落している。

◎米国債市場

米国債市場では10年債利回り が一時、約2年ぶりに2.5%台に上昇した。米金融当局は十分に経済成長が拡大し資産購入を終了できると予想していることから、投資家は米国債に売りを出した。

バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)は19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で、年内にも資産購入を縮小させ始め、2014年年央には終了する可能性があると述べた。これに反応し、今週は住宅ローンからコーポレートローンに至るまで、主な証券の利回りは軒並み約4年ぶりの大幅上昇 となった。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニューヨーク在勤)は「バーナンキ議長の発言で利回りのレンジが押し上げられた。まだ手じまい売りは続いている」と述べた上で、「しかし市場は今も相場を見極めようとしている段階だ。レンジはまだ確定していない。だいたいこの水準でバリューはあるが、今のような手じまいが続くとこの先の方向には不透明感も強い」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後0時51分現在、10年債利回り は前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.49%。一時は2.51%と、2011年8月8日以来の最高を付けた。週間ベースでは36bp上昇と、2009年8月以来で最大の上げだった。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格はこの日、21/32下げて93 17/32。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は押し目買いで反発した。前日は2010年以来の安値に下げていた。週間ベースでは4月以来の大幅安を記録。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が今週、緩和策の縮小に言及したことが背景にある。

金は前日6.4%下落していた。同議長は19日、景気が当局の予想通りに回復を続ければ、年内に債券購入の規模を縮小し始め、2014年半ばに終了させる可能性があると語った。

スタンダード・バンクの商品ストラテジスト、マーク・グラウンド氏は電話インタビューで、「現物需要は常にあり、ここ最近の値動きを踏まえれば、現物買いがやや強く入る可能性がある」と指摘。「近い将来に以前の水準へ戻るとは思わない。流動性がもはやこれまでのように供給されることはないとの見方に金市場は慣れつつある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比0.5%高の1オンス=1292ドルで終了。週間では6.9%下落。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は3日続落。2週間ぶりの安値を付けた。ドルの上昇を嫌気して売りが優勢になった。米連邦公開市場委員会(FOMC )が9月に月間の債券購入額を減らすとの見通しや、中国の流動性逼迫(ひっぱく)で同国の経済成長が抑制されるとの懸念がドル高につながった。

原油相場は週間ベースで3週間ぶりに下げた。ドル指数は2週間ぶりの高水準に達した。ブルームバーグが19-20日に実施したエコノミスト調査によると、FOMCが9月の会合で緩和縮小に動くとの回答は約44%となった。4-5日実施の調査では27%にとどまっていた。前日には中国の1日物レポ金利が過去最高を記録し、中国人民銀行(中央銀行)が流動性を供給せざるを得なくなるとの思惑が高まった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「ドル上昇は明らかに原油相場を圧迫している。FOMCが支援を減らしているため原油は下げている。中国の状況や同国の銀行システムが混乱する可能性への懸念は強い」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1.45ドル(1.52%)安の1バレル=93.69ドルで終了。終値としては4日以来の安値となった。

更新日時: 2013/06/22 05:46 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。