東日本大震災:震災がれき処理、焼却灰搬入中止を 富山・池多地区の住民らがデモ /富山
毎日新聞 2013年06月20日 地方版
富山市など5市町村でつくる富山地区広域圏事務組合(理事長=森雅志・富山市長)が受け入れた岩手県山田町の震災がれきの焼却灰が19日から、富山市山本の最終処分場に搬入された。これに対し、地元の池多地区住民らは「焼却灰搬入中止するまで闘うことを宣言する集会」を開催し、反対を訴えた。
がれきの焼却は立山町末三賀のクリーンセンターで18日から開始。10月下旬から11月上旬まで1日約15トンずつ、一般ごみに混ぜて焼却作業が続く。焼却灰の放射能濃度が基準値以下だったため、19日には約20トンがセンターから最終処分場に搬入された。昨年12月の試験焼却灰搬入の際は住民らの阻止行動で一時騒然としたが、この日は大きな混乱はなかった。
搬入に反対して開催された19日の集会には、市立池多小近くの空き地に地元住民ら約30人が集結。土砂降りの雨の中、「池多住民は子どもの未来、自然環境を守るために立ち上がろう」との集会宣言を採択し、横断幕やプラカードを掲げながら、「トラックは小学校前を通るな」「復興予算は被災地のために」「池多の自然と農産物を守ろう」などと訴え約1キロ離れた田尻池までデモ行進した。
参加した男性の1人は「ほんの少しでも毒性があるのなら、子どもや孫の世代に影響が出るかもしれない。子どもや孫を守る責任が自分たちにはある」と訴えていた。【青山郁子】