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上念 司氏(左)倉山 満氏

日中歴史問題は「ノータッチというタッチ」がベスト【倉山満×上念司対談】Vol.4- 日刊SPA!(2013年6月21日09時03分)

6月4日に発行された扶桑社新書『嘘だらけの日中近現代史』が早くも大好評となっている。そこで、著者で憲政史学者の倉山満氏と経済評論家の上念司氏が、日中史のタブーについて激論を交わした!

⇒【前回】『日本の中国研究者は学閥に縛られて「真実」を書けない』http://nikkan-spa.jp/456785

――お二人は、中国には何度か行かれているのですか?

倉山:一度もないです! 空気も悪いし食べ物も汚染されてるし。

上念:私は天安門事件の翌年に1か月ぐらい滞在したことがありますよ。当時は、世界中から総スカンを食らっていたのですごく親日的でした。今じゃ考えられませんが……。中国をかじった人が陥りやすい症状に「上海メガネ」というのがあるんです。中国は広大で多民族国家でもあるにもかかわらず、外国人は上海を全中国だと勘違いする。特に商売している人は表層的なことに目を奪われて、「日本とあまり変わらない」とか発言してしまう。その典型が加藤嘉一さん(笑)。彼曰く、「言論の自由も認められている」らしいですが、じゃあ何故、秘密警察がいたり、「チベット」と検索した途端、ネット接続が遮断されたりするのかと。こう指摘すると、加藤さんは「ぐぬぬ」という表情になっていましたけどね。そうならないためにも倉山氏の新著は必携の一冊でしょう。

――日中の歴史問題は解決する日がくるのでしょうか?

倉山:そもそも、解決しなければならないというのが勘違い。歴史問題に関しては日本は「ノータッチというタッチ」の姿勢で臨むべきです。これは大正時代の外務大臣、石井菊次郎がとった大陸政策にも見られるもので、国益や国民の権利が危なくなったときにだけ最小限度の介入をして、大規模な軍事展開は行わないという方策です。中国の動向に関する情報収集はして、いざというときに動ける態勢は整えておくけど、直接的な対話はしなくてもいい。

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