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ゲル一泊、気分は遊牧 岩手・滝沢に「モンゴル村」オープン

ゲルの内装や遊牧民の暮らしを説明するラオグジャブさん

 岩手大を今春卒業したモンゴル人留学生のラオグジャブ・ムンフバットさん(27)が5月下旬、岩手県滝沢村の日帰り入浴施設「お山の湯」内に「滝沢モンゴル村」を開いた。遊牧民の移動式住居「ゲル」を設置し、宿泊もできる。モンゴル料理の提供や馬頭琴コンサートなどを企画する。

 ラオグジャブさんはモンゴル西部ザブハン県出身。良質の電気製品を知ったことがきっかけで日本に憧れ、岩手大に留学した。
 卒業後は帰国予定だったが、大学2年の時にボランティアで訪れた東日本大震災の避難所で窮屈な生活を目の当たりにし、「ゲルがあれば役立てる」と事業を立ち上げることにした。
 祖父母は遊牧民で、ゲルは慣れ親しんだ生活空間だった。2時間で組み立てられ、夏は涼しく冬は暖かい。
 昨年11月、モンゴルからゲルを仕入れた。被災地で事業を始めたかったが、用地取得が難航。支援者に勧められた滝沢村で土地を借りた。5月26日にあった開村式では、住民や関係者約100人が祝福した。
 ゲルはドーム型の5棟。1棟約30平方メートルで最大6人が宿泊できる。木の骨組みに羊のフェルトを巻き、民族風の装飾を施す。天窓からは光が差し込み、夜は星空が見える。電気は使えるが、水道はない。トイレは仮設を利用する。
 ラオグジャブさんは「多少不便もあるが、自然の中で幸せを感じられるはず。普段と違う遊牧民の暮らしを味わってほしい」と話す。
 1泊2食付きで大人6000円、小学生以下3500円。6歳未満は食費のみ。予約は2人以上で、食事は「お山の湯」で取る。午前10時〜午後2時に見学できる。連絡先は、お山の湯019(680)2588。
 モンゴル村では6月中、民族音楽のミニコンサートを毎日開く。ラオグジャブさんの友人で、プロの馬頭琴奏者兼ホーミー歌手のプレブジャル・オユンビレグさん(32)が弾き語りする。
 ミニコンサートは見学用のゲル内で午前11時、午後1時、3時の3回、各30分。1人500円。宿泊者は個別に夕食後、無料演奏してもらえる。


2013年06月21日金曜日


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